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あだむう・歌穂
2020年8月3日 23:54
わたしは満月がだいすきだ。いつからかわからない。あの光に心が吸い込まれてどうしようもない。満月のたびに光を求め、何時間でも眺めてしまう。月明かりでできる影もわたしを高揚させる。都会で育った人はあまりわからない感覚かもしれないが、わたしの実家では街灯がほとんどない。懐中電灯を持って出かけないと四方八方暗闇のような世界だ。だが、満月の日はびっくりするぐらい全てが見える。月明
2020年5月17日 16:48
日常が楽しくて、お皿を洗いながらわくわくしてたら、ふと君を思い出した。この”わくわく”に君は傷つけられていたんだね。そう思うと、世の中にある全ての感情は、意図など関係なく、必ず誰かを傷つける。くよくよしてたって誰かを不快にするし、わくわくしてたって、どこかの誰かを傷つけるのだ。誰しもが誰かに刃物をふるっている。まるで、今の世の中のようだ。きっとどんなに気をつけようと、誰
2020年4月6日 17:46
君はすごく変わってた。と、言っても、私が付き合う人はみんな「変わってる」と言われる部類の人間なんだけど、その中でも、君は群を抜いて変わってた。所謂、「変な人、変わってる人」というよりは「変態」という言葉の方がしっくりくるような。本当に変態な人なんだろうなと思った。(この表現はエロいとか、下ネタな意味ではなく人間的になんだけどわかるかな)君とは、とある現場で4年ほど前に出逢っていた
2020年4月2日 14:53
とことん君はズルかった。全ての感情を見透かして、君はいつも笑ってた。私にはその笑顔が、悩殺級の凶器だった。しっかりと大人になってしまった私には、あんなにも誰かの一言一句に振り回されるような恋など、きっと後にも先にもあれだけだろう。君には全部読まれてた。どんなに隠そうとも、先手を打ちたくても、君を振り回したくても、全部、先に駒を置かれる。初めは何も思わなかった。こんな先生来た
2020年3月28日 22:23
「理想の恋愛は?」 正直、なんという質問をしたのかは忘れてしまった。でも、彼の答えから、きっとこんな感じの質問をしたのだろう。 いや、今思えば私がそんな質問をするだろうか、、でも、今から10年も前のことだ、したのかもしれないし、なんかの話の流れで彼がふと話し出したのかもしれない。 とりあえず、彼はこう答えた。「一生片想い」 初めて聞いたワードだった。そう思った。
2020年3月27日 13:33
君はいつも寝坊をした。 週末が来るたびに、私は君の扱い方を学んでいるようだった。 期待なんてもうしない。起きれたら褒めてあげよう。それぐらいの気持ちでないとこの人の彼女は務まらない。 私は起きたタイミングでまずメールをするようになった、返信はない。 朝食を済ませ、シャワーを浴び、メイクを始めながら電話をかける。繋がらない。まだ起きていない。 今日も電波越しに彼を起
2020年3月30日 00:36
きっと生理前なのだろう私はただでさえ睡眠時間の少ない君にまだ起こす時間でもないのに声をかけた「ねえ」すぐに君は反応する「テーブルの上のお菓子食べていいの?」お土産なのか、誰かにあげるものなのか有名なお菓子屋さんの袋がテーブルの上に2つあった「うん、いいよ、食べて」今の今までいびきをかいていたとは思えないほどいつ話しかけても、ちゃんと理解して優しく君は答えてくれる