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修道院育ちのハーブを浴びる 8月20日~365日の香水

修道院の薬草研究
修道院では薬草を栽培し、研究し医薬に役立てていた。それが現在のリキュールになったり、香水(オードトワレやオーデコロン風のもの)につながっていく。シャルトリューズ修道会のシャルトリューズ、ベネディクト修道会のリキュールのベネディクティンなどのリキュールやサンタマリアノヴェラ修道院のユリ香水などもそれにあたる。

ハンガリアンウォーター
中世に修道士のかかわった香水としてハンガリアンウォーターがある。
12世紀にベネディクト会派の修道女が作ったといわれている。(諸説あるうちの一つ)
アルコール性香水(alcoholic perfume)の元祖ということになっている。
錬金術の実験過程でワインを4回蒸留したところ、純度99%のアルコールが発見されたのが11世紀とされているので、時代背景も整合する。

ハンガリアンウォーターの効果
ハンガリアンウォーターの逸話として有名なのが、これがハンガリー女王に献上され、老齢であった女王の肌はみるみる若返り、ポーランド王に求婚された、というもの。最初に聞いたときに真に受けてしまって、それなりに歴史を紐解いたけれど、何も見つからなかった。
とはいえ、ハンガリーやポーランドに実在した女王や王妃になにかゆかりがあるとの説もある。

ハンガリアンウォーターの中身
まずはローズマリー、それにラベンダー、他にミントやセージ、オレンジの花などいわゆるハーブの処方で、この辺はリキュール同様で香りを楽しむこと以上に薬用効果を期待されていたものと思われる。
ローズマリーやラベンダーから想起すれば、バランスの調整、鎮静作用や健胃作用などもあったのではないか。
18世紀にオーデコロンが爆誕するまでは、ヨーロッパ中でもてはやされたらしい。

harbissimo/dana/1980年代
ハーブ(harb)とフォルティシモ(fortissimo)を組み合わせた造語だから、目いっぱいハーブ、のようなネーミングだろうか。
ダナ社の定番でいくつものバリエイションがあったようだけれど、現在流通はない。
ローズマリーやオレンジフラワー、レモンなどに加えパインニードルなどビターでドライな香りも含まれ、ドライジンのような風合いの香り。
以前にも紹介したけれど、浴びるように使うのがふさわしそう。
18世紀以降、シトラス系オーデコロンが覇権を握ったけれど、ハーブ系の香りもまたこの夏に全身に浴びたい香り。

香り、思い、呼吸
8月20日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。


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