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時は流れる 12月9日〜365日の香水
歌会始の勅題
新年の宮中行事である「歌会始」にちなんで、勅題をテーマに毎年立春の頃にワークショップを開催している。
歌会始は歌を詠むけれど、ワークショップでは勅題をいただき、一年を予祝する香りを創る。
令和という時
令和になってからの勅題が「望」「実」「窓」「友」「和」と、本当に一年の”在り方”に重きを置くような、そして一人一人にエールを贈られているようなものが並んでいて、出されるたびに感じ入る。
令和7年来年は「夢」。
一年の始まりに持つ共通のテーマとして先に挙げたような素敵な言葉が続く、こういう時代が時がずっとめぐり続けてほしいと、よく思う。
人によってきれいごと、机上の空論に聞こえるかもしれないけれどもそれでも思う。
どんな時間も流れ、過ぎていく
もうずいぶん以前のことになるけれど、ふと思考が巡ったことがあった。(唐突に思った、という感じ)
時時間は誰にも平等という、のはそうなのだけれど、同じ時間を早いと感じるか遅いと感じるかは人によって違う。そして早いと感じようとするか、遅いと感じようとするか、はその人次第。
よく言う「楽しい時間はすぐすぎる」とか「まだ一年かもう一年か」という感覚かもしれないけれど、この時もっと深い気づきの感覚があった。
どんな時間でも過ぎていく、当たり前のようで不思議な摂理の中を私たちは生きているんだなと思ったのだった。
一時期は、「今は大変かもしれないけれど必ず時間は過ぎていくから」といった暖かいメッセージをいただき小さなカードに書いて持ち歩いていた時もある。あのつらい日々も過ぎ去っていった。
辛いニュースを見聞きする毎日。
終わりが来ることを信じたい。
L'air du temps/NinaRicci/1948
平和のシンボル鳩がボトルに施されている。第二次世界大戦が終結して再び訪れた平和の時への思いが託されているという。
調香師はフランシス・ファブロン(francis fabron)で、バレンシアガのル・ディス(le dix/balenciaga)やジバンシーのランティルディ(L’Interdit/Givenchy)を手掛けた人だ。
スパイシーなフローラルブーケタイプの名盤でありお手本であり草分けといっていい。
直近の香りをチェックしていないけれど、基本的には多少のマイナーチェンジはあってもこの美しいフローラルノートは誕生以来変わらず継承されているはず。
カーネーションやクローブのスパイシーノートはそれでも全体の優しさを邪魔せず、ここまで優雅にスパイシーノートを使えるのかと感嘆しかない。
そしてこれがあることで、単なる華やかさ優雅さを超えて、華やかで優雅な時代への意思を感じ取ることができる。
それは平和な世界を分かち合う意思にも感じ取れる。
望は叶う、現実になる、新しい窓を開けて、友と平和を夢みる・・・
(「望」「実」「窓」「友」「和」そして「夢」)
いろいろなニュースが飛び込んできた。
今日という日に、誰にとっても必要な美しい時の流れを。
香り、思い、呼吸
12月9日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。