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XS 2月28日〜365日の香水


とってもデジタルなコンセプトだと思う
世の中にはデジタル的なものとアナログ的なものがあると考えている。とっても複雑な話しを簡単に言うと、
論理的で、整合性があって粒揃い、シャープさが魅力なのがデジタル。
情緒的で、不規則で不揃い、グラマラスさが魅力なのがアナログ。
この香水は直線がボトルを飾り、ネーミングは極めてミニマムに記号のようなXS、珍しくライターのように片側だけが開くキャップは極めて合理的だ。

香りもメンズの香りとして、パコラバンヌといえばパコラバンヌ プールオムだけれど、過去の成功作を踏まえることなく新しいメンズ、新しい価値観がXSにはある。この傾向は現在も一定、継承されている。
スマートな香り。

ネーミングの由来はわからない。
Xというのは数式やデジタル記号を想起させる、Sはその集合体なのか、別の意味はがあるのか。
数字だけのネーミングの香りというのも少なくない。ニッチフレグランスのヒストールドパルファンは文字通り歴史的な出来事をテーマにしている方ある出来事の起こったと”年”がネーミングになっている。有名なオーデコロン4711はナポレオンのドイツ併合時に定められた番地だった。
数字はデジタルに見えて、実はその奥に長い物語が潜んでいて、情緒をかきたて、様々な解釈を生むのでアナログ的ともとれる。
このXSはそれ以上でも以下でもないというネーミングでデジタルだなと思う所以だ。
読み方はエクセスだっただろうか?

XS/paco rabanen for men/1994
「XS」は、2018年にリニューアルされ再販になっているし、違うバージョンもあるし、女性用もある。私のコレクションはそのルーツのもの。
1994年の時点でメンズフレグランスのこれからを予想し、その核となる構想が2010年代にも継承されていること、そのクリエイティブを90年代にしていたこと。
先行したジバンシーのアンサンセ、ウルトラマリンはユニセックス化の旗手だったけれど、XSは実はメンズフレグランスとしての骨格を基本にしている。
ニュアンスをずらしながら時代の空気を纏わせている。
伝統世界の新進気鋭の風情がXSにはある。
香りの棚卸をしてると、こういう逸材を再発見できることがとても楽しい。
といいつつ、この香水のことはずっと頭の隅にあった。
全体にアナログ思考な私なので、この香水はインパクトがあったのだ。
この香りに負けない装い方を模索したい。

香り、思い、呼吸

2月28日がお誕生日の方、記念日のかた、おめでとうございます。

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