彼は目を提供し、彼は手を通し命を吹き込む 11月19日~365日の香水
「彼は目を提供し、彼は手を通じて命を吹き込む」
ファッションデザイナーのドルチェ&ガッバーナ(Dolce and Gabbana)はどんなクリエイティブユニットなのかといえば、そこには役割分担があった。
仕立て屋の父をもつドルチェ(Domenico Dolce)はその技術でデザインを具現化する。デザインの構造を理解し仕立てる。
「手」の役割。
ガッバーナ(Stefano Gabbana)の父は印刷工で彼自身にもグラフィックデザイナーのキャリアがあるのでヴィジュアル的な要素、そしてマーケティング戦略も担う「目」の役割。
二人は出会った1980年代から2005年まで公私ともにパートナーだった。
プライベートの関係を解消してからも、「目」と「手」のパートナーシップは続き、ブランドは「ドルガバ帝国」として現在に至っている。
「強み」を活かすための補完
ドルチェ&ガッバーナの成功を見ていると、早い段階から二人が自分の”強み”を自己認知できていたことが成功につながったとわかる。
さらに、強みを活かしながら自分にないものを相手が持っていて補完し合えたことは、運が良い。
違いの才能を見極める力も持っていた二人の出会い。
「ヴィジョン」と「現実」のコラボ
ことを起こすときにはまずヴィジョンがある。ワクワクして巻き込まれてみたいと思えるヴィジョン。それを具体化し戦略に落とし込んでいく現実化~ドキュメントに落とし込む力。
ドルチェ&ガッバーナのクリエイティブが気が付けば40年近くに及ぼうとしている一因はビジョンメイク力とドキュメント化力のコラボゆえなのかもしれない。
「出す得意」と「ずらす得意」
アイデア創発の世界でよく言われることだけれど、アイデアは「出すのが得意な人」と「ずらすのが得意な人」に分かれるという。
どちらも重要ということだ。
確かに、そのままでは使えないアイデアを少しずらすことで実現性が増す、ということはよくある。
ずらすものとして、対象者やシチュエーションや、いろいろが考えられる。
”それはむしろ10代にささるのでは?””地方に場を変えたら?”
この局面で重要なのは、出す、ずらすに優劣はなく、いずれも等しく重要ということ。
ドルチェ&ガッバーナの「目」も「手」も等しく重要なのと同じ。
Dolche&Gabbana/1992
ドルガバの香水第一号。
深紅のベルベットテイストのパッケージ。90年代の市場は、ユニセックス、マリンノート、フルーティフローラルがトレンドを形成していた。
その中でアルデハイドノートをメインにした香水は稀有であり異端でもあった。ただ、70年代のアルデハイドとは異なり、そのパッケージのごとく艶やかで颯爽とした感覚のある香調。
2020年代では、香り好きの男性にも試してほしい落ち着きと活力のある香り。
才能を活かしあう”ドルガバ”の初登場香水にふさわしいバランス。
香り、思い、呼吸
11月19日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。