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「9 」 9月9日〜365日の香水

重陽の節句
元旦、ひな祭り、端午の節句、七夕に続いて奇数の重なる日、9月9日は重陽の節句。
陰陽思想では奇数は陽、偶数は陰。暦の中で最大の陽が重なるのが今日。
偶数である隠は二つに分かれることから調和、安定を担い、割り切れない奇数は変容や進歩を担うという考え方。
正負ではなく、オンオフ、リフレッシュとリラックスのような関係かもしれない。
中国ではこのようにパワーのある9を、皇帝の数字として、例えば紫禁城の部屋の数を9999にするなど、王朝や皇帝に関わる神聖な数字としてきたそうだ。

トリプルスリー
西洋ではどうか。
古代ギリシア、ピタゴラス派は奇数をやはり神聖な数字としていて、各々の奇数は何かの象徴であるとした。
1は宇宙の起源、3は身体、精神、魂の調和、7は神秘的な知恵といった具合。
9は、身体、精神、魂の調和である3がさらに重なっている(トリプルスリー)ことから、完全性はさらに強まり、宇宙的な調和を表す、とされているという。
聞いた話だけれど、欧米では、とても幸せな出来事が起こると「トリプルスリーだ」という言い方もするらしい。

終わりと始まり
シンプルに一桁の最後が9だから、一つのフェーズが終わって、次に移行することをこの数字から想起しやすい。
終焉と創世、これも成長や変容につながるイメージ。
人の妊娠期間も9ヶ月、胎児から新生児にフェーズが変わるということだ。

azzaro9/azzaro/1984
40年前の香水ということになる。
タイプはフローラルアルデハイド。ちょうど、このくらいの時代まで、このような香調が香水市場の一角を形成していたはず。
いかにもという古めかしさと、逸品を発掘できたようなときめきを、このタイプの香水はもたらしてくれる。
このタイプとは、フローラルアルデハイドタイプである。

フローラルの主香は、ミモザ、藤、チューリップなどが王道のミュゲ、ジャスミン、ローズよりも際立ち、フローラル部分だけでも複雑な調合の跡が伺える。
ベースにもモッシー、ウッディ、アニマリックとが複雑に溶け合っている。

カッコよく華あり
それでいて、完成の形は、グラマラスというよりスリム、強さよりスマートさ、によっている。
こういう“カッコいい華”というのもこの時代に多い気がする。
誕生日は自分で選んだわけではないけれど、こういう絶妙さは、いかにも重陽に生まれた人だからこそ、持ち合わせたもの、と思える。

香り、思い、呼吸。
9月9日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。

奇数と偶数の象徴
世界の数字の概念

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