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天使のような戦士そして部分 12月22日〜365日の香水

天使が似合う月
12月と言うのは、1年の中で1番“天使”が似合う季節。
クリスマスツリーのオーナメントにも欠かせない。
やはりクリスマスと言うイメージから、12月は天使がたくさん舞い降りるようなイメージがあるのだろうか。天使には冬の街、夜の街が確かに似合う。

革命に散った天使
天使〜エンジェルで思い出すのはビクトル・ユーゴの『レ・ミゼラブル』の作中人物で革命軍(反乱軍)のリーダー、アンジョルラス。
作者が天使〜angelから名付けたアンジョルラス。革命に散ることになるけれど、ミュージカルでも大変人気の高い作中人物。
原作では「叙事詩」という章に初めて登場する。
その描写は、黄金に輝くまつげ、バラ色の頬、アイボリーの肌、そして20歳をすぎていたはずなのに17歳位にしか見えず、警察側の報告には、「反乱軍の中にアポロンの生まれ変わりがいる」と書かれるほど、気高しく何より美しい存在だった。
また、“恋愛”と言う概念を、あまり持ち合わせていなかったようで、街を歩けば若い女性たちが振り返ったり噂をしあったりした中、本人はなぜ周囲がそういう反応するのかわかっていなかったようだ。学生同士が砦を守りながら「アンジョルラスには恋人がいるんだろうか?いるわけないよね」と言うような、ちょっとからかうような話をしたときに、アンジェラスは空を見つめたまま誰にともなく「祖国」とつぶやいた。
処刑のときには銃を向けた警察官が「花を打つようで辛かった」と報告書に記している。
とにかく人間離れしたポエティックな存在として、この物語の中で異彩を放っている。
ユーゴーのロマン派と言われ所以が「レ・ミゼラブル」においては、アンジョルラスに凝縮されているかのようだ。

実在した革命の天使
このアンジョルラスのモデルは、1789年のフランス革命とその後の恐怖政治の際に登場したサン・ジュストと言われている。
ロマン小説オルガンの作者でありロベス・ピエールの腹心でもあった美少年。

人間界に紛れ込む天使
何かの間違いなのかいたずらなのか、本当に神様が誤って人間界に紛れ込ませた天使のような存在。もしかするとそういう人が現代にもいるのかもしれない。
あるいは私たち一人ひとりの中に誤って紛れ込んでしまった天使のような”部分“が住んでいるかもしれない。

天使のような崇高さを
12月は自分の中の崇高さを最も輝かせることができる好きなのかもしれない。大きなもののために見果てぬもののために小さな存在のはずの自分が行動を起こす。実際に凄いことをするわけではなくても、いつもと同じことをするにしても、そんな心持ちで臨んでみたら遠い未来に何かが変わっているかもしれない。

anjelique/資生堂/1991
1990年代は資生堂も香りの戦略に積極的で、いくつもの名香を送り出している。アンジェリークは、これまでの資生堂の香りの戦略とは趣を異にするオリエンタルタイプ。
どちらかと言うと典型的なヨーロッパ的な冬の香りである。白いドレスに身を包んで、白い羽をはばたかせて人々を暖かい空気で包むような香調は、フローラルとバニラノートとオリエンタルノートの絶妙なアコードから。まさに、天使のような香り。
調香はジャンルシュザック(jean louis sieuzac)

パッケージに描かれた天使は、アンディ・ウォーホールの描いた天使を用いたものではなかったか。
自分の中の天使のような部分を思い出し、見守り、抱きしめる夜に。

香り思い、呼吸
12月22日がお誕生日の方記念日の方おめでとうございますたくさんの天使が微笑みますように。

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