魅惑の陰謀 10月3日〜365日の香水
戦略性
ストレングスファインダーの最下位が競争心、下から二番目が戦略性。つくづく司令官にはなれない、と思った。
競争心は別にどうでもいいけれど、戦略性の発揮能力がほぼないというのは、なんとも心許ない。
軍事の英雄には優れた戦略家が多い。ナポレオン、アレキサンダー大王、ネルソン提督、それにハンニバル。
共通するのは、現実の解像度高い認知、そこからくるヨミの粒度、天才的なひらめきをもたらす集中力、それに周到で入念な準備。
この準備の段階で集中力が切れて、抜け漏れを生じさせているケースも少なくない。
うまく行かなかった戦略というのは、だいたい現状把握が粗いか、準備が雑か、な気がする。
敵のステレオタイプ
だから、精度高い戦略実行をするプロセスには、ちょっと粘着質な気質を発揮しないとダメなのかも知れない。
恋愛を描く作品で主人公の恋的になるのは伝統的にこのタイプのはず。
恋愛に限らず、スポーツでも社会派のコンテンツでも敵の一つの型は、恐ろしいほど対象を観察し、粘り強く時を待ち、攻撃に出る。
計略には、粘着が欠かせないのかも知れない。
まちぶせ
さて、以前「まちぶせ」と題してanbushという香水を扱った。
奇襲攻撃などに使われる言葉で、これも軍事では歴代の英雄が時々行った戦略。
日本語ではこのanbushと同じまちぶせと訳される言葉に「guet apens」がある。
よく調べると、計略や陰謀の意味を持つ言葉で、同じ「まちぶせ」でも英語のanbushがまちぶせすることや奇襲攻撃そのものを指すのに対し、フランス語の「geut apens」は先に書いたように用意周到な陰謀、企てを指すので、背景が持つものはかなり違う。
文脈の中での言葉
当然、ネガティブな響きを持つけれど、サプライズが成功した時に「いい計略だった」とか、あまりにも魅力的な笑顔に「その微笑みは陰謀」という感じでguet apensを使うこともあるそう。
言葉というのは文脈の中で、魅力的なニュアンスを持つから面白い。
guet apensという名の香水があれば、それはダークな陰謀ではなく、底知れぬ未知の抗いきれない魅力とその勝利を表すのだろう。
guet apens/guelain/1999
1000年期を記念して限定でリリースされた。まさに陰謀を美化して新しい世紀を迎える美しい人のために創作された。
調香師は元はカルティエ専属だったマチルダ・ローレン。
芳醇なフルーティーと豪華なフローラルをシプレーノートで包んだラグジュアリーな香り。
ゲランらしさと新しいゲランの間に存在して、どちらの良さも損なわずにいる。
限定だったのが勿体無い。
香り、思い、呼吸
10月3日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。