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そろそろ、冒険へ〜2月24日の香り〜366のクリエイティブ

2月24日 プリンセスとムスク

プリンセスは宮殿を出て、冒険の旅に出る。
解き放たれて好奇心の赴くままに。

調合ベース”プリンセス”
プリンセスはかなり初期の頃のサロンの調合ベースでローズやジャスミンを中心にした華やかで可憐さのあるフローラル。
同じようにジャスミンとローズをメインにしたもので「女王のアコード」というベースもあるけれど、こちらはジャスミンとローズを拮抗させて重厚さのあるものにしたので「女王」、今回のプリンセスはこの二つ以外にもフルーティなフローラルなどを加え、まさにプリンセスのイメージでつくったもの。
プリンセスといっても色々なタイプがあるから、今日は新しい出会いによって新しいプリンセスの物語を紡ごうと考えた。

新しい出会い
新しい出会いはムスク系の香り。
ムスクもアンバー同様に天然のものは希少すぎて主流は合成香料になっている。サロンでも数種類のものを備えているけれど、その中の一つを使った。
プリンセス6:ムスク系4。
ムスクは動物性香料としてオリエンタルタイプなど濃厚で妖艶な雰囲気を持つ香りに重用される。
このムスク系の香りと調合ベース”プリンセス”の出会いは、生まれ育った世界の違う者同士が惹かれ合う瞬間のようだ。宮殿の庭で育った花が、ある日吹き込んだ異国の風に導かれ、見知らぬ大地に根を下ろすように——新たな香りの調和が生まれる。

宮殿の外へ
面白いことに、今日の配合によりオリジナルのプリンセスよりも香りは軽やかに躍動し始めた。
宮殿を出て冒険を楽しむプリンセスの物語が始まった。

もともとのプリンセスには配合しているジャスミンのある程度の重厚感やアニマリックな感じが一定の影響を与えていた。
それは豪華絢爛な宮殿を背景に感じさせた。
ムスク系の合成香料と組み合わせにより、その重厚感が軽やかな躍動に変貌した。ムスクがより重厚感を出すのではなく、という結果が面白い。
結果が見えていそうな出会いの物語は、意外な方向へと旋回する。
私たちが映画や物語で見せられているのは「意外な方向」なので、いつのまにかそれが定番のように思えてしまっているけれど。
それがドラマチックな展開だから、物語になるのだ。

内面から引き出されていく
プリンセスは急に変わったわけではない。もともと持っていた好奇心や自立心が”引き出された”に過ぎない。
けれど、自己の内面から何かを引き出す時、自力に加えて外部からの圧も欠かせない。
そうやって打ち破られた殻の外の世界は、そこに出た人にしかわからないそれぞれの世界。

香り、思い、呼吸

2月24日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。

2月24日の香水はこちら


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