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今年の干支の香水~龍涎香とチェロ
辰年、干支の香水はオーケストラパルファムの「アンバーチェロ」です。
Ambre Chello/L'orchestre parfum/2021
アンバーの発見者はアラビア商人
アンバーはマッコウクジラの結石のようなもの。
動物性香料で今は捕鯨の規制もあって天然のアンバーは流通がない。
マッコウクジラが排出したものが海上を浮遊、それを拾い上げたアラビア商人が東西の交易したことが、人類とアンバーの関りの始まり。七世紀くらいの出来事だろうか。
中国人は出自不明のその香りを神聖な龍と結びつけた
そして辰年にちなむその異名「龍涎香」は出自が明確にわからなかった時代に、中国では、彼らの神聖な生き物「龍」と結びついて、岩で昼寝する龍の涎が固まったもの、という解釈になっていったことに由来する。
中国での龍は神秘、深淵さとDIGUNITY(威厳)のシンボル。
何か超越した侵してはいけない威厳に満ちた龍と、これまでの何とも似ていない不思議で妖艶な香りを放つアンバーが結びついたものだ。
アンバーの音色はチェロ
オーケストラパルファムは音楽からの着想で調香をしていくアプローチが面白く一つ一つに音楽が備わっている。アンバーチェロは当然チェロの演奏がサイトで聞ける。オリエンタルでエキゾチックなチェロだった。
バイオリンの繊細で時にアグレッシブな音色と比べるとチェロのそれはもっと地底から湧き上がってくるような重さと厚みがある。それでいてどこかにせつなさが漂う重低音は龍のdigunityに通じる。
女性の魅力で言えば、白い肌に金のまつ毛が輝くようなヴァイオリンに対し、やや褐色の肌に濃い黒いまつげとその奥の深い色の瞳・・・深い色の瞳は龍の深遠さといえるかもしれない。
このように、アンバーがアラビア商人によってライジングしたという歴史、チェロという音色の醸す世界とアンバーの香りの一致、それがどこかオリエンタル趣味に通じるところ、そういうことが私の中では整合していって、
干支の香水として辰年に「アンバーチェロ」となった。
アンバーでチェロな辰年は?
農業歴では卯の年に地面に繁した草木の形が整うのが辰年らしい。
侵しがたい威厳と形の整うサイクル。
威厳とは厳(おごそ)かさだ。きっと威厳を伴う人は自分で何かをわめきたてたり、闘争的に他者を威嚇したりしない。
堂々とした自分の世界。それが形になる一年になるかもしれない。
パワーではなく、権威ではなく、競争ではなく、
寛容で、いつでも余白があって、信じている。
今年もよろしくお願いします。
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付記:これを書いている途中で、石川・能登の地震が発生した。
東京の私の家も揺れた。津波はもちろん、停電や通信障害などが起こっているらしい。火災の発生も気になる。とにかく皆様の安全を祈りたい。