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月光が聴こえる 9月17日 ~365日の香水

今年は今日が中秋節
つい先日のバンコクもそうだったけれど9月(の中旬以降)に東南アジアや東アジアを旅すると、行く先々で月餅のプロモーションに出会う。
そのたびに「中秋の名月の季節だな」となんとなくは思ってきた。
明確に教えられた記憶はないけれど、秋、名月、月餅や月見団子、そういうことは自然と自分のナレッジにあった。
もしかして、月見バーガーが発端だろうか笑。
中秋節とは太陽太陰暦の8月15日のことで、今年はそれが今日9月17日にあたる。何日になるかは毎年変わるということと、必ずしも”満月”になるわけではないそうだ。
今年マンダリンオリエンタルの月餅、蓮のとドリアンの餡で祝おう。

闇の中の光り
月の女神アルテミス、かぐや姫などの神話や民話、Fly me to the moonやmoon riverなどの現代音楽、月と六ペンスやアポロ13、小説や映画でも月をテーマにした名作はたくさんある。漢詩や和歌にもたくさん詠まれてきた。
夜と共にあるのが月であり月光。闇に覆われて姿を隠す様々な存在の中で、時に煌々と、時にぼんやりと光を放つ存在。
太陽光~サンシャイン(sun shine)のshineは動的な言葉で”光を放つ”ことを言う。一方の月はムーンライト(moon light)、ライトは光そのものを指す名詞でただそこにあること、だから静的といえる。人は同じように空に輝くものを見ても自然と本質を見抜き、言葉を変えてきたことが面白い。

収穫と澄んだ空気と
一年の中で、この季節の月を特別に祝いたいというアジアの習慣は唐代の中国で始まったと言われている。月の満ち欠けが農業歴に使われたことから、収穫期である秋、そして空気が澄んで一年の中で最も美しく見える秋に、これを祝う。月に捧げものをして豊穣を予祝する、そのような農耕民族の思いが現在に至っているようだ。その末端にいる私も、特に大好きというわけでもないのに、月餅~MOON CAKEを見かけると「中秋の名月」が近いのかと、なんとなく気持ちが満たされてくるから不思議だ。

MOON LIGHT PATCHOULI/van cleef&arpels/2016
エクストラオーディナリー(extraordinary)シリーズは日本では取り扱いがないのかもしれない。
月光という以上に月夜にふさわしい香り。タイプ的にはネーミングにある通りパチュリを主役にしたウッディ、シプレー、オリエンタルの溶け合ったコクと深みがあり、物静かで品のある香りだ。
トップにビター感があるのかカカオからだろうか、ミドル以降はほのかなフローラルとオリエンタルが滑らかで優しく匂い立ってくる。
濃厚で高級感のある香り。さすがヴァンクリフ&アーペル。
暗闇の描写から始まるような重々しい始まりのベートーベンの月光のような香水。

香り、思い、呼吸
9月17日がお誕生日の方記念日の方おめでとうございます


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