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ファベルジェ 1月7日〜365日の香水

1月7日の香水
ブロカントでジャケ買いした香水が「Faberge Tigress」(ファベルジェティグレス」。
丁寧で凝った造りが目を引いた。

女性の野生
パッケージだけでなく中身も透明のケースにビロードのリボン、パルファン濃度の液体が色濃くまだ残っている。
発売は70年代、香りはアンバー(龍涎香)が効いたオリエンタルタイプ。
調べると印象的なパッケージは虎の毛皮を模したようで確かに縞の部分にそういう質感がある。
Tigressは直接的には雌の虎のことで、虎のように野生みある女性像ということだろうか。

ウーマンリブ、自然回帰、反戦、70年代ムーブメント
強さを女性美とした価値観。
パッケージからは70年代よりもっと古い時代のものかと思ったけれど、この価値観は歴史を辿れば納得である。
ウーマンリブというムーブメントがアメリカを中心に起こった時期だった。
70年代は他にもベトナム反戦からヒッピー文化が生まれたり、自然回帰の流れが出てきたり、いろいろなうねりが起こった時代みたいだ。
戦争に疲弊した自然回帰の潮流は香りでいうとグリーンタイプで、自然の緑の香り、女性らしさや男性らしさからも解放され、ウーマンリブの点でも支持されるものだった。

ファベルジェティグレスの美とは
草木の緑も自然ならば、サバンナも密林もまた自然。
大地や草木の色、同時に色鮮やかな動植物の発する色彩も自然。
強くあること、他者に影響されない強さが美しいこと、虎をモチーフにして描いた理想を私はそんなふうに理解している。
野生と対極をなすような、丁寧な人の手によって凝った装丁、ゴールドやピンクを使いながら全体にシックなところに風格が感じられる。
覚悟がないと備わらない美だ。

Tigressはティグレス、タイグラス、表記はまちまち。


あの卵形の宝飾品
さて、ファベルジェ ティグレスもファベルジェはなんだろう。
ロシア出身のが宝石商で金細工職人のピーター・カール・ファベルジェのファベルジェだ。
今でもオークションに出される卵形のインペリアル・イースター・エッグで有名な工房の創設者だ。ロシア革命でボルシェビキに没収され、ファベルジェは失意のうちに1920年にスイスで生涯を閉じた。
四人の息子の一人、アレクサンドルが化粧品などのビジネス日本酒商標として使ったものらしい。もちろん偉大な父と工房を誇りに思っていたのだと思う。
ユニリーバなど資本を変えながら、brut parfums prestigeというメーカーに今はなっているようだ。

1月7日生まれの方、今日が何かの記念日の方、おめでとうございます。

香り、思い、呼吸。

#365日の香水
#コルクラボ
#adams

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