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シャンパンのような高貴なバスタイムを 8月11日~365日の香水

歴史に名を刻むキャロン創業者による香水
1904年に創業したキャロン(CARON)。
創業者のエルネスト・ダルトロフ(Ernest Daltroff)は調香師としての専門のトレーニングをした人ではなかったけれど、天性のセンスなのか数々の名香を残した。ナルシスノワール(naricisse noir/1911)やタバブロン(tabac blond/1919)、ネメクモア(N’Aimez que moi/1916)・・・。
香水だけでなく、きめの細かいパウダーなども有名で、パウダーブラシはキャロンのアイコンになっている。

いくつかの謎
このロイヤルバンドシャンパーニュの1920年代の英語の広告を見ると、「for the bath」となっている。一説には、禁酒法時代のアメリカの大富豪が「シャンパンを楽しめるような入浴剤を」というオーダーをしたことに端を発するという。
これは歴然と市場に存在したようだけれど、キャロン社ではその後、1941 年に「royal bain de caron」をオードトワレとしてリリースしていて、現在はこれを公式にこの一連のシリーズの”祖”にしているようだ。
理由はわからない。この調香師は当時キャロンに入ったばかりのミシェル・モルセッティ(Michel Morsetti)とされている。
さらに現在は、キャロン専属の調香師によりリニューアルがされている。
当然「royal bain de caron」のネーミング。

シャンパーニュという名称
1993年にシャンパーニュ業界がイブサンローラン(Y.S.L)の新作香水に「シャンパーニュ」(chanpangne)の名がつくことに対し、使用禁止の訴訟を起こした。業界が勝訴し、香水は「イブレス」(yveresse)と名称変更を余儀なくされた。キャロンの公式からbain de chanpagneが消えたのにはこういうことも関係しているかもしれない。

ROYAL BAIN DE CAHNPAGNE/CARON/1923
往年のフランス香水らしい、リラ(ライラック)が印象的な作品。リラ、ローズ、それに安息香の香りがとてもエレガントで柔らかい。
若干ソープ様の清潔感のある感じも漂う。シャンパンとの関連はわからないけれど、コレクションには確かに「chanpagne」とあって、別に自分が何をしたわけでもないけれど、誇らしい。
猛暑と冷房に疲弊してきたので、この香水を思い出した。

香り、思い、呼吸。
8月11日がお誕生日の方、記念日の方おめでとうございます。

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