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ポルトガル 10月5日〜365日の香水
リスボンの旅
一度だけ、ポルトガルのリスボンを訪れたことがある。
5〜6年前のこと。
とても可愛い、そして温かい情緒を感じる街だった。人がとても親切というのは、行く前に聞いていた。
到着するなり空港でSIMカードが機能せず、とりあえず空港のWi-Fiで宿泊するホテルの最寄駅を調べて、降りた。出口は、有名な美術館の近くにあるホテルだったので、美術館の名前のある方から出た。
夜の到着で、物静かとまでは行かないけれど、賑わうような様子ではなかった。
さて、困った。
あるビルの夜警の人に行き方を聞いたら、PCで調べてくれて道を教えてくれた。
通りを渡り数十メートル歩き信号待ちしていると、先ほどのガードマンが追いかけてきて、さっきの案内が間違ってて、この道をまっすぐ、のようにわざわざ教えてくれた。
不思議なもので人が親切という情報があったので何の警戒も抱かなかったけれど、今思うと、他の国ならお金?とか警戒してたかも知れない。
素朴な風合い
到着早々に、親切という歓迎を受けて、気持ちがあたたかくなったのを覚えている。
坂道が多く、有名なケーブルカーの窓から急な坂をゆっくりゆっくり上がってくるおじいちゃんの姿に、大変そうという以上に、素朴な日常が羨ましくさえ感じた。
ホテルに続く下り坂のレストランや小さなブティックの光景、今でもたった一度の訪問なのに覚えている。
とにかく、行く先々で小さなアクシデントがあったけれど、みんな感じの良い対応をしてくれた。
四日くらいいて、バルセロナに移動してしまったけれど、他の都市も訪れたいし、聞き逃したファドも聴きたい。
また行きたいだけでなく、一度、ポルトガルの物件を探してみたこともあった。
気候が温暖でいつも海を望むことができる国の愛おしい地域性。
リスボンにいる間中、私を包んでいたのは高揚感や刺激ではなく、和みや心地よい懐かしさだった。
旧ポルトガル領
世界をバックバッカーとして巡った知人が面白いことを言ってた。ポルトガルは植民地でほとんどインフラを整備せず、布教だけをしていたから、去った後に使えるものが何もなくて、旧英国領などと比べると現地は本当に大変だった、と。
南米やアフリカ大陸にポルトガル語圏も多いけれど、経済的に受難が続く国が多いのもそういう関係なのだろうか?
ファド
ファドを初めて聴いたのは日本のファドの歌い手さんのライブでだった。シャンソンとはまた趣の異なる哀愁。シャンソンは華やかな世界と裏社会との対称がそこにある気がするけど、ファドはあの地に暮らす人々がみな共通して持つ情感のように私には聞こえる。
portugal/4711/???
1910年10月5日、ポルトガルは共和制国家にポルトガルがなった。
オーデコロンの名門4711がポーチュガル(portugal)を出したのは、いつかは定かではないけれど、かなり古い時代のはず。
実は国名を冠したグローバルブランドの香水というのは珍しい。
何か、この国の持つ他にはない吸引力ゆえかも知れない。
香りはシトラスノート、典型的なオーデコロン。
香り、思い、呼吸。
10月5日がお誕生日の方、記念日の方、ポルトガルの皆様、おめでとうございます。