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羨望 9月20日~365日の香水

羨ましいの対義
香水のことを考えると、自分が言葉について不用心で無知なことを思い知る。
今日の香水の名前は「羨望」。今さらながら”羨ましい”ってどういうこと?となった。
WEBの辞書には「羨ましい」の対義語として「可哀想」と「嫉妬」が出て着る。反対の言葉をしれば、その言葉の解像度が上がるかと思ったけれど、可哀想や嫉妬と対極にあるのが羨ましいというのは・・・何故だろう、あまり、しっくりこない・・・。

ENVY/ GUCCI/1997
「ENVY」は日本語の羨望と嫉妬と両方のニュアンスを含む言葉。
香水のネーミングとしてはいずれのニュアンスにしても”特別感”を表しているのだと思う。
香調は、清々しいグリーンノート。
シトラスと共にピーチなどのフルーティが上がってくるトップノートには豊潤さがある。やがてヒアシンスやミュゲなどのグリーンフローラル、時間が経過してくるとモッシーのビター感が程よいアクセントになってくる。
ボトルデザインはスマートな正四角形、そのパッケージは色やデザインを施した紙ではなくスケルトン。

再び羨望、ENVYという言葉について
ENVYの語源はラテン語の「invidia」に由来する。
vidiaはビジュアルに通じる「見ること」、そこに否定のinが頭について
批判的な視点で見る、という意味であった。
それが批判や、上げ足をとるような言葉にいかず、羨望や嫉妬として定着したのも面白い。
”人を見る”時には、何らかのインテリジェンスを伴うことになる。
批判的な視点というのは、実はクオリティが高いほど重要性や出来事へのインパクトを強める。
”する側”の立場で考えた時に、いい羨望といい嫉妬、その逆が夫々あるような気がしてきた。

ENVYという香水の体現する羨望
スケルトンのパッケージデザインは羨望を集める人の”佇まい”に思える。
隠すこともなく、見てという強烈なアピールもなく、ただそうしていたい、という佇まい。
あるいは、透けて見える外装は羨望を持つ側と持たれる側を自由に行き来するためかもしれない。
冒頭に羨ましいの対義に可哀想が出てくると書いたけれど、ENVYの対義は
「contentmen~満足」だという。
満足ばかりの毎日は面白くない。羨望と満足を行き来したいのだ。

以前、jealousyの方、”嫉妬”について考えたNOTEはこちら。

実はこの嫉妬の香りも、上記のNOTEに記載の通りグリーンNOTEにシトラスと少しビターなウッディを配したタイプとして仕上がった。

香り、思い、呼吸
9月20日生まれの方、20日生まれのお友達、今日が記念日の方、
おめでとうございます。

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