ピカソ、コクトーらと共にモンパルナス派と言われたマックスジャコブの著書『占星術の鏡』に記載された星座ごとの香りの情報から、占星術にまったく知見のない立場で星座を語るシリーズの2回目。
アロエ、菊、紫と黒
やぎ座の香りとしてアロエと菊が挙げられている。色は黒、紫に濃い茶色。
ビターでダークな印象だ。
アロエというのはほぼ、香水で用いた記憶がない。
菊というと和花のイメージが強い。
2019年から20年にかけて日仏友好150周年記念でいろいろな催しがされた中、パリの装飾美術館では日本の紋様のフランスアートへの影響、共鳴という企画展をやっていた時に、桜、菖蒲や藤、当然「菊」のコーナーもあった。資生堂が大正期に海外輸出用に制作した香水の一つが菊香水だった。そのボトルも展示されていた。日本らしさ、日本を誇る時に使いたい代表的な花の一つに間違いない。
アロマセラピーでは女性に優しい精油といわれるカモミールはキク科だ。
重陽節のお祝い~花としての確かな存在
旧暦の重陽節を祝い場にお招きいただき、一輪の菊をお土産にいただいた。10月半ばのことだったけれど、一か月近く見事に花は保たれて、しっかりしている!と感心したのもつい最近のこと。
薬草味を感じる静だけれと確かな香りだった。そう、菊の香りは強いでも、甘いでもなく、確かな香り、というのが私の言語化だ。
こんな菊のイメージを手掛かりに、やぎ座の人を想起する。
頑固なんだろうな笑。一貫性がある。自己アピールは得意ではないけれど、なんだかんだと場の矢面に立つことも多い。
そういう時に、奇をてらうことなく、役割を全うできる。
美点は落ち着きの中に宿る。
あらためて凝視したときに発見されるたくさんの美点。
素敵だな。
モンテニュー通りのサロンの”苦い思い出”
そんなことを無責任に想像していたら、とっても名門のレアな香水を思い出した。この香水は、まだ̬キャロン(CARON)がモンテニュー通りに店を構えていた頃に訪れて手に入れた。実はその時、マダムがとても塩対応だったのだけれど、後で思い返すと、店に入るなりフランスではとても大事な挨拶をしないまま、目の前に並ぶ香りを次々指名して香りを見せてもらうという、私の暴挙が原因だった。15年くらい前のことだけれど、CARONには伝説的な香水がたくさんあって、"bonjour"さえ忘れてしまうほどエキサイトしていた私だった。
思いがけないコレクションのことを思い出させてくれたやぎ座さん、merci。
香り、思い、呼吸。
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