『占星術の鏡』に語られた星座ごとの香りをヒントにしたNOTE6回目。
この著者はピカソやコクトー、モディリアーニらとともにモンパルナスをホームにしていたユダヤ系の文学者でアーティストのマックス・ジャコブ。
香りはチュベローズ、味は脂肪、糖、色はコバルトブルー
明確にまったりと甘い。
チュベローズは月下香ともオランダ水仙とも言われるが古くからその芳香によって香水に用いられてきた。チュベローズは愛らしさから妖艶さまで、その甘さが様々なイメージを象る香りだ。
様々な名香に用いられてきた。
私はこのチュベローズをうまく使うことが不得手で、たった1%を配合するにも恐る恐るだった。
私の作風との相性もあったのかもしれないけれど。
無防備
明確に甘い、このわかりやすさは一方でとても無防備な感じがある。
疑うことを知らず、素直に正直に、甘い、それがチュベローズという花の香り。どこか幼さが付きまとうのに、そう思っていたらいつの間にか、手の届かないような存在に急な成長をしていたり、そういう両極の使い方がきっとこの香りはできる。
竹の中から生まれた小さな赤ん坊が、瞬く間に美しい娘に成長し手の届かない所へ行ってしまう、かぐや姫に宿る両極性みたいだ。
幼く小さく、誰かの庇護を必要とする存在、可憐な美しさはそのままに求愛者に命を賭すような難題を立て続けに課す毅然とした心。
チュベローズの香りのわかりやすさと複雑性そのもののようだ。
おうし座には無防備を感じさせる愛らしさと毅然とした風情とが同居するのかもしれない。
キャシャレルのルルー(loulou/ cacharel)がこの星座にはピッタリだ。
現在も流通しているようだけれど、おそらくマイナーチェンジしているのではないかな。