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ざわつくはじまり~2月19日の香り~

2月19日 ”翡翠”とラベンダー

”ずらす”ことで創造する新しい香り
毎日、直観で二種類の香料を組み合わせ、その物語をNOTEに書こうと決めた時は、同じ二種類の組み合わせの配合比率を変えるいくつものパターンを想定していた。
ローズとジャスミンで9:1、5:5、3:7などのように。
これは実はよくやっている。香りを調合することの奥深さを学ぶため。
けれど、NOTEで発信しようとすると、だんだん欲が出てくるのか、二種類のうちの一方をすでに複数種類の香料を調合したベースにする選択が出てくる。
一度、形を成したベースから新しいベースをつくる。
それは、一度出たアイデアを”ずらして”新しいアイデアを生む、ことに似ている。

”ずらす”ということ
アイデアをずらすというのは、例えば「女性向けにナチュラル志向の基礎化粧品」というアイデアを「男性向けに」と対象をずらしたりすること。
あるいは「基礎化粧品よりもネイルがいいかも」などスコープをずらしたりすること。そのことによって企画に変化が生じる。
素敵なパールのブローチがあって、胸元に付けるとクラシカルに過ぎる感じがした。それでシャツの片方の袖口に付けたら意外性とアシンメトリーな感覚も出た。付ける場所をずらしただけでパールの意味はがらりと変わったのだ。

調合ベースに新しい何かを加えてみる、ずらしの行為によって起こるのは「物語」の変化。

調合ベース「翡翠」をラベンダーで”ずらす”
今日使った調合ベースはジャスミン様香気で知られる合成香料へディオンを中心にグリーン感をもたせたもの。その名の通り翡翠色を思わせる香調。
翡翠色を帯びた陶器のような静かでひんやりとした感覚と気品が漂う。
へディオンの穏やかさにグリーンノートを重ねた効果だと考えている。
そこにラベンダーを加えた。
配合比率は翡翠9に対しラベンダー1。
1割のラベンダーは、トップノートのアクセントのような関わり方。
薬草的なドライ感と少しオイリーな感じのあるラベンダー。

ラベンダーのざわつき
トップノートで淑やかな翡翠と素晴らしいダンスを繰り広げた。
調合ベースの翡翠がもともと持っていた穏やかなリズムに変容が起こり、インパクトのある前奏が始まる。
ラベンダーが加わることで滑らかであったリズムが良い感じに”ざわつく”。
やがて、翡翠の持っている穏やかさへと落ち着いていくけれど、最初にラベンダーの一撃があったので「穏やかさ」の受け取り方が変わってくる。
胸騒ぎのあとの素敵な出来事、その余韻。ラベンダーが翡翠に与えた変化だ。
一撃のあとだからこそ、この静けさが際立つ。
それが今日の物語。

香り、思い、呼吸

2月19日がお誕生日の方、記念日の方おめでとうございます。

2月19日の香水はこちら


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