勝ったものが強い、なんて嘘 11月17日〜365日の香水
虎とライオンはどっちが強いのだろう?
子どもの頃、動物図鑑を見ながら思った。
ナポレオンとチンギス・カンが戦ったら?というシミュレーションも何かで見た。
本当の強者は誰か、一番を知りたがるのは、私たちの本能だろうか。
どっち?そして虚しい
虎とライオンの戦いは、古代ローマのコロッセオで行われたというし、動物園やサーカスで檻の鍵が外れたとか不測の事態で両者の戦いが発生したことも何度かあって、勝敗ともども記録に残されている。
あらためて、そういうのを読んでいると虚しさを感じる。
子どもの頃の好奇心、どっちが強いかを知りたい!
今、感じる虚しさ。両者の権威の損傷。
勝敗は関係性に起因する
森羅万象は関係性の中で変化していく。
密林では虎が強くサバンナではライオンが王になる。北極熊は虎やライオンよりもっと重量級だけれど、同じ地で遭遇することはない。象はもっともっと巨漢だけど草食。
期せずか敢えてか戦った虎とライオンも、個体差、環境、戦いが発生した状況に影響されて結果が出ただけだ。
それを踏まえずに、どっちが強い、負けたということに虚しさを感じたのだった。
権威
権威の損傷と感じたのは個人的な感覚で例えばライオンはヨーロッパ王家の紋章に使われたり、虎は中国では白虎という神獣だったりと、そもそも権威付のある動物だったから。
たまたま戦いが発生してもその勝敗に意味はない、と思ったから。
生成AIが語った虎とライオンの違い
王家の紋章ライオンと白虎というこの世を守護する神獣の虎。
chatgptはこの違いを「ライオンは理性的な力や王権の象徴」、虎は「本能的な強さや自然の力の象徴」と整理した。
(私とchatgptの会話は素人同士のおしゃべりです)
チャットからの仮説
インドで発祥した仏教はロジカルだし、中国の諸氏百家は力ではなく叡智による治世を説いたのに、東洋世界でいろいろなシンボルになる虎が本能というのは不思議だなと思った。
次の仮説をチャットした。
王権神授と叡智による治世
キリスト教が定着したヨーロッパで王権は神授されるもの。王家は神の代理として自らを強いものに例える。ライオンは権力者がいかに強いかのメタファーであり、統治者として望ましい理性も付与される。
一方、人の知が世を治めるという考えのもとでは、叡智による完璧な世界を形成するために、霊的なもの、守護するものが必要になる。(多分そうじゃないと安心できず力に頼りたくなる)。
虎はその一翼だから、そのものに理性は不要で、その力を活用し人が知で治める。
王者然としたライオンや虎の象徴としてに使われ方の違いはそういうことではないか。
このチャットを相手(AI)はお気に召したようだった。
kenzo jungle le tiger/kenzo/1997
調香師はドミニク・ロピオン(dominique ropion)。
オスマンタスやイランイランの甘いフローラルにシナモン、アンバーが重なる。
重いけれど濃さとは違う、マーラーの重低音ではなく、ヒンデミットの交響曲のよう。
マーラーかヒンデミットかを比べたら虚しい。
ただ、あのクリエイター高田賢三が幻想的なジャングルを描いた時、そこに神秘的で威厳に満ちた存在として虎を思ったのだ。
香り、思い、呼吸
11月17日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。