No’5 l’eau 7月13日〜365日の香水
三代の物語
世紀の天才といわれたレジェンドの傑作。半世紀以上を経て、その偉業を継承し新しいヴァージョンを送り出した天才。さらに四半世紀後、レジェンドのクリエイティブの核だけを残し、現代に最適化した作品に仕上げた現在の気鋭。
世紀の天才とはシャネル5番の調香師エルネスト・ボー。半世紀以上を経てこの5番にオードパルファン濃度のラインを追加したのは、当時のシャネルの主任調香師ジャック・ポルジェ。シャネル5番を現代に最適化したNO‘5l’eauを手掛けたのは、現在のところシャネルを背負うオリビエ・ポルジェ。
父ジャックから仕事とポジションを継承した。
シャネル5番がいまだに廃れた感じを持たず、時代時代にヴァージョンを生み出し成功させていること、それらの全てを共存させていることの凄さをあらためて思う。
換骨奪胎ではなく、父も息子も、初代をしっかり解釈して自分の仕事をした。
今日はNO‘5 L’eau。
どれもがいまだに成功しているから、成立する。
そう考えると、シトラスの多用も、安易なわかりやすさではなく、あの五番にシトラスをたっぷり効かせたら、成立するするのだろうか?そういう好奇心と冒険心を十分に満たす出来栄えであることが良くわかる。
テーマと作法を守りながら、存分にオリジナリティを発揮しているオリヴィエ。
次の世紀に父とともにどのような評価を定着させているのか、仕事ぶりが手堅いゆえに、興味深い。
chanel no’5 l’eau
名香NO‘5を少し古いと感じる人、あるいは強い、重いと感じる人は、そこに多用されたアルデハイドの可能性ところ面白さを、体験するために、この香水からスタートしてみたらどうだろう。
確かにこれは、フレッシュフローラルだけれど、同時に他ではできないアルデハイドノートで無二のポジショニングをしている。
誰もその秘密を知らずに、事実を知ったら、ああと納得する。
レキシと知名度を活かしている作品。
香り、思い、呼吸。
7月13日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。