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ウォーホール$ 8月6日~365日の香水

イーディ・セジウィック
映画「ファクトリーガール」はモデル・女優のイーディ・セジウィックの短い生涯をアンディ・ウォーホールとの関係を中心に描いた2006年の作品。
ここに登場するウォーホールは警戒心と猜疑心に満ちていた。
陰鬱なエゴイズムでイーディを傷つけていく。
(ように私には写った)
一方で、イーディが交際していたボブ・ディランは、まっすぐで信頼に満ち、人としてのスケールが対照的だった。
イーディは名門セジウィック家の生まれ。複雑なそして幸福とは言えない少女時代を過ごす。
美大生だった彼女は、移民の貧しい家庭に育ち、虚弱体質で見た目にコンプレックスもあったウォーホールにとって、ミューズそのもののようにきらめいて見えたのかもしれない。
やがて彼女はドラックに溺れ、28歳の若さで世を去る。

木彫りのキリスト像
まだ関係が良かったころに、蚤の市を巡りウォーホールが手に取った木彫りのキリスト像をイーディが買ってあげる場面。
数ドルのものだったけれど、悩む素振りをしてイーディが支払うようにウォーホールが仕向けたようにも見えるし、そんなに欲しいものでもなかったのにイーディが買ってあげたかっただけなようにも見えて、印象的で象徴的な一場面だった。

1960年代の最も重要な人物
ビートルズとともに1960年代の最も重要な人物とされたアンディ・ウォーホール。
プリンスのポートレートに使った写真の著作権問題NFT論争など21世紀になってもその作品にまつわる”新しいテーマ”が生まれている。
映画製作からバンドのプロデュースまで多岐にわたる活動とは裏腹に、いたって”省エネ的”に見えるその外見。
20世紀半ばのアメリカ的な価値観が世界を覆っていく時代に登場したアーティスト。
受け入れながら拒絶する。木彫りのキリストが愛おしいのか取るに足らないのか、彼の中でも判然としないようなことが終始、頭の片隅にあったのかもしれない。

Andy Worhol pour homme/andy warhol/1999
アンディ・ウォーホールの名を冠した香水の第一号。
シトラスとハーブでライトにドライに仕上がっている。
本作はプールオム(pour homme)ということでメンズ用だけれど、現在ならユニセックスで使える。
女性用(andy warhol)はフラワー、この男性用(andy warhol pour homme)はドル~$がボトル&パッケージデザインになっている。
ドルは、20世紀のアートシーンは利潤追求と密接にならざる得ないという考えによるという。
今日はアンディ・ウォーホールの生まれた日。

香り、思い、呼吸
8月6日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。



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