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伝説の始まりと復活 11月23日~365日の香水
ココ・シャネルの「ココ」
よく知られた話だけれど、ファッションデザイナー、ガブリエル・ココ・シャネルの”ココ”は彼女が18歳くらいの時に、キャバレーで歌手をしていてよく歌っていた「Qui qu'a vu Coco dans le Trocadero(トロカデロでココを見たのは誰?)」からついた愛称だ。
COCOと呼ばれたときから始まった
「私は自分の人生が気に入らなかったから作り直した」というシャネルにとってキャバレーで歌手をしていた(しかも芽が出なかった)ということは黒歴史ではないのかな、と思ったけれど、シャネルのロゴは”ココ(COCO)”と”シャネル(CHANEL)”の二つの「C」を象ったもの。
周囲は彼女を「マドモアゼル」と呼んだけれど、名前は「ガブリエル・ココ・シャネル」と本人もココを自分の一部としたのだろう。
ココの愛称のついた時代に彼女はその後の浮上のきっかけとなるパトロンに出会ったし、最愛の人となるアーサーカペルとの出会いも最初のパトロンによってもたらされたものだった。
”ココ”とともに彼女の「望む人生」は始まったのかもしれない。
その名に因んで
シャネルの香水に彼女の生前、その名に因んだものはなかった。
シャネルの香水事業は、初の香水NO.5 を1921年に発表した後、1922年にはユダヤ人の実業家ピエール・ヴェルテメールとパルファン・シャネル社を設立し、香水事業は実質ヴェルテメールに委ねられた状態だった。
(現在もヴェルテメールの孫にあたるアランとジェラール兄弟がシャネルの共同経営者となっている。)
ココ(COCO)が1984年に、2000年代に入って、マドモアゼル(COCO Mademoiselle)、そしてガブリエル(Gabrielle)が展開された。
伝説が財産
現在のパルファン・シャネルの戦略は「伝説的な創業者」の物語にすべて集約させている。365日の香水でも「1957」「コロマンデル」「ミシア」「パリードーヴィル」などについて書いてきた。
今やシャネル社の基幹は創業者ココ・シャネルそのものなのである。
これには、2018年まで主任デザイナーを務めたカール・ラガーフェルドの
影響も少なからずある。彼は自身のクリエイティブを良いか悪いかではなく「シャネル的か否か」で判断したくらい創業者シャネルの世界観を大切にしていた。
COCO/CHANEL/1984
現在の明確な”シャネルの伝説”路線になる以前に登場した。調香師は長くシャネルに貢献したジャック・ポルジェ(Jacque Polge)。
アンバーが贅沢に香る。そしてシャネルフレグランスの真髄であるジャスミンやローズのフローラル。この時の処方は現在どのくらい改変されて市場にでているのだろう。
スポーツ好きで活動的な創業者はこの香りを少し「濃く」感じたかもしれない。それでも、香りに宿る真のエレガンスは理解したのではないかな。
香り、思い、呼吸
11月23日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。