見出し画像

婚活と香水

「どんな香水を付けたら好かれますか」
随分前だけれど、ご依頼があって婚活中の女性だけを対象にしたワークショップをしたことがある。最後に頂く質問は出会いの場や最初のデートの場に適した香水は何ですか、ということ。
柑橘系はフレッシュで万人受け、フローラルの優しい香りは女性らしさを引き立てる、など定石っぽい答えがないわけではないけれど、嗅覚という感覚器の特徴、嗜好性の最も高い個人差の最も大きい感覚であるということが「正解」をどんどん遠ざけていく。

「嗅覚」という手ごわい感覚器官
万人受けと言われる柑橘系だって苦手な人はいる。花の香りもそれだけでもたくさんのバリエーションがあるので一概に言えない。
香水は夥しい香料を調合して完成していくものなので、わずか1%そこに入っている香料が仮に苦手だとしたら、その人の鼻はたちまち苦手を嗅ぎ分けて、他の99%もろとも、苦手な香りになってしまうことだってある。

こういう意味で絶対が言えないところが楽しい世界でもあるけれど、いざという時に使いたい方には厄介なことでもある。

主体は何か
香りは貴方の印象に添える一つのアクセサリーのようなもの。
とはいえ、一度付けるとピアスのように簡単に取り外すことができないし、目に見えないだけに装いではなく雰囲気の文脈に入れられてしまうのも事実。それでも、主体はあなたであって、自身を演出するツールであることに変わりはない。(あくまで、他者を想定して装う場合の話です)

私の経験からは余程のことがない限り、付けた香水だけが原因で好きになることもその逆もないし、そういうことはちょっと想像しずらい。

では、その余程のこととは
一つは先ほど出た嗜好性の話。絶望的にも相手がその香りが苦手どころか嫌い、受け付けないものだった時。これは人それぞれなので回避しようがない。ごめんなさい。
もう一つは、好みは別にして「その香りをきつく感じさせてしまう」こと。
きつく感じる原因の凡そは「たくさんつけている」ことにある。
よく言う数メートル先からも香りが届くような状況。
香りの装いを台無しにするのはひたすらこの「付けすぎ」にある。
恐ろしいことに「付けすぎ」ている人に限ってその自覚がないこと。
原因は嗅覚疲労
付けている香りに対して嗅覚疲労が起こると、麻痺状態になって十分香っているのに自分だけが感じなくなりどんどん付け足してしまう、という状況。

防止
こういうことをどうやって防ぐか。
付ける場所はひざ下がおススメ。香りは揮発性なのでひざ下くらいにつけておくことで、立ったり座ったり歩いたりという所作と共に、程よい感じで香りが周囲に漂ってくれる。上半身につけると、鼻に近いこともあってそれだけ疲労を引き起こす原因にもなるので、注意したい。
付ける量も控えめに。昨今はオーデパルファンが市場での主流だけれど、これはスプレー式なら一吹きで十分。
さらに香料濃度の低いオードトワレタイプなどがあれば、それを一吹きでも十分。
テクニックとしては、持ち物にさりげなく香りを付けておくことでもいい。名刺を渡すとか、スマホを取り出すとか何かの動作に伴って、ほんのり香りのニュアンスが洗われる程度。
それとはっきりわからないような正体不明さ、が程よい装いに通じる。
香りをコットンに一吹きして、それを1時間くらいでいいので箱の中に入れておく。香りを移したいものと一緒に。名刺やポーチやハンカチ?
不安になるほど、控えめに使うくらいが実は最上級だったりする。

一番大事なこと(香水私論)
もしも、装っている香りのことが話題になったら、大事なのは
何を付けているかではなくて、何故つけているかだと私はずっと思っている。
選んだ理由、好きな理由。

#note100日
#コルクラボ
#adams

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?