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イタリア[0]イタリアでドイツ語を押し通す

202209081249イタリア[0]イタリアでドイツ語を押し通す

 これまたスイスの話ではなくて隣国のイタリアの話なのですが,お付き合い頂ければ幸いです。

 これは日本に住む普通の日本人である私の知人から直接聞いたことでフィクションではなく信頼性のある話です。
 その知人が夫婦である年に休暇でイタリアに出かけました。そのイタリアの有名な観光地であるフィレンツェのあるリストランテで食事を摂っていた時のことです。そのリストランテには日本人夫婦である私の知人の他にドイツ人観光客が複数いたそうでその時のイタリア人ウェイターとドイツ人との会話が大変興味深かったそうです。

 ドイツ人たちはドイツ語でウェイターに
「zwei, Wasser」
とか英語でもイタリア語でもなくひたすらドイツ語で(多分)ミネラルウォーターを2本注文しようとしている。一方でイタリア人ウェイターはウェイターで一応は観光客なれしているから英語で
(これは面倒なので日本語で表現すると)
「二人分をひと瓶づつにするのか?それとも大きい瓶を二人でシェアするのか,ガス入にするのかノンガスか?」
と必死に応対しようとしていたのだそうです。結果的に双方で共通する言語がなくすれ違いのまま注文が出来たのか出来なかったのか…私の知人は通訳が出来るほどドイツ語は堪能ではないのですがドイツ人が何を欲しがっているのかわかった分だけ可笑しかったそうです。

 別にドイツ人は皆ドイツ語しか話せないなどという乱暴なことを言うつもりはありません。私が以前スペインで出会ったドイツ人観光客は英語を流暢に話していました。たまたまフィレンツェで出会ったそのドイツ人は英語を話せなかったのでしょう。ただ,ヨーロッパの主要国の言語であるドイツ語をイタリアで押し通そうとするその場面が目に浮かぶようで,大変面白い話です。

 これは自分でも旅行をして感じることなのですが,ドイツはやはり(ミュンヘンなど南ドイツもありますが)バルト海や北海,デンマークに接する地域があることを考えると基本的に「寒い」国だと思います。だから地中海に憧れるドイツ人がピレネーやアルプスを越えて避寒のためにスペインやイタリアを訪れる機会は多いのではないでしょうか。


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