共産党による「セルフ領収書」批判ほど悪質なものはない
1.攻守逆転した議論、本末転倒した議論
2年前の参院選公示の前日7月3日に日本記者クラブで開催された党首討論において共産党の志位委員長は、日本維新の会が「身を切る改革」の一環として公開している文書通信交通滞在費(文通費)の使途と領収書を取り上げ、「領収書を発行したのも受け取ったのも〇〇議員で、何に使われたのかはまったくのブラックボックスだ」と批判してきました。
しかし、こうした批判は、政治資金に係る透明性や公正性を確保するための日本維新の会の取り組みを逆に「使途不明」「マネロン」であるかのように印象操作して視聴者に誤解を与えることを企図したものであり、極めて悪質であると断じざるを得ません。そうした悪人が善人を見下してする議論、攻守が逆転した議論、本末転倒した議論が私は大嫌いです。
かつて、そもそも“不動産鑑定なし”の14億円を採用して公園用地を払い下げた民主党が“杜撰な不動産鑑定”に基づいて学校用地を払い下げた安倍内閣を批判するとか、獣医師会から100万円もらった玉木さんが加計理事長とゴルフした安倍総理を追及するとか、攻守逆転したモリカケ騒動を許すことが出来なかったのと似た感情がこみ上げてきます。
2.維新が文通費の使途を公開している理由
そもそも文書通信交通滞在費とは、いわゆる「歳費」とは別に、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律に基づいて「公の書類を発送し及び公の性質を有する通信をなす等」のため国会議員に毎月支給される100万円のことであり、非課税かつ使途公開が不要。いわば国会議員が自由に使っていい「お小遣い」と言ってもよい酷い制度なのです。
詳細は、音喜多議員による「月100万円支給、領収書不要の「文書通信交通滞在費」。人件費等に払うのは目的外使用か?」をご覧いただければと存じますが、2012年に日本維新の会ができるまでは、この「お小遣い」の使途の不透明さを批判する政党は皆無でした。しかし、原資が税金であることを重視し、維新は、その使途公開に踏み切ったのです。
日本維新の会のホームページには、「文書通信交通滞在費」というページがあり、所属議員全員の文通費の使途を公開しています。ややこしいのは、別途、政治資金規正法に基づき、国会議員の政治活動が「国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため」、政党支部や資金管理団体の「収支の状況を明らかにする」ことが求められていることです。
そうした法の趣旨を踏まえ、私は、政党支部や資金管理団体の活動との一体性の低い備品・消耗品費、滞在費、組織活動費等については文通費の使途として日本維新の会HPに領収書を公開するとともに、両政治団体の活動と一体性の高い支出は両団体に寄付し両団体それぞれの収支報告書を通じて「国民の不断の監視と批判の下に」(同法1条)置くようにしているのです。
3.「自分あて」といっても個人と団体では大違い
文通費は(使途が公開されない)国会議員個人の口座に振り込まれるため、その「全額」または「一部」を(使途が公開される)自らが代表を務める政党支部や資金管理団体に寄付すれば、当然、文通費は個人から団体へ、領収書は団体から個人へ、というように、いわゆる「自分あて領収書」「セルフ領収書」が発行されることとなるわけです。
この領収書が、(仮に)個人から団体あてに発行されていれば、政治資金が(政治資金規正法の下に規制されている)団体から(規制されない)個人に移動した証であり、それこそ大問題となるでしょう。しかし、日本維新の会の「セルフ領収書」は全て、団体から個人宛ての領収書です。文通費は個人のポケットから(透明性の高い)団体に移動しているのです。
4.レッテル貼りと印象操作を組織的に展開する共産党を許してはならない
ここまで読んでいただいた方には、共産党の志位委員長が、「領収書を発行したのも受け取ったのも〇〇議員で、何に使われたのかはまったくのブラックボックスだ」と批判しているのが如何に的外れで悪質であるか、ご理解いただけるのではないでしょうか。
共産党は、2年前の参院選の真っただ中において、赤旗紙上で大々的に維新のセルフ領収書批判を展開しました。共産党の維新批判が如何に的外れであるかは、「「維新のセルフ領収書」とは何か ―批判する前に一読」にも詳しく紹介されていますので、是非ご覧ください。
こんな悪質な印象操作を赤旗で大々的に展開する共産党を、私は許すことが出来ません。善を見逃したり、悪を見逃したりすることは人間だからあるでしょう。しかし共産党がやっていることは、わざわざ善を取り上げて、まるで悪であるようなレッテル貼りと印象操作を組織として展開することです。
ちょうど先日、共産党が破防法に基づく公安の調査対象団体であるという「事実」がTBS系「ひるおび!」で展開され、出演者である八代氏が謝罪しなくてもいい謝罪に追い込まれるという事案があり、本当のことを言われた志位委員長はイライラして、また維新攻撃に走るかもしれません。
その時には、この note を思い出していただき、本来あるべき攻守が逆転したり本末が転倒したりすることのないよう、賢明なる視聴者、有権者であっていただきたいと存じます。もちろん、私たち政治家が率先して戦いますが、主権者は国民です。ご理解とご支援を宜しくお願い申し上げます!
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