AdachiAmi 安達愛美
東京で一人暮らしをしながら、エネルギー系企業の新規事業開発部門で働いています。大学を卒業後、現在の会社に就職し、新エネルギーソリューションの開発に情熱を注いでいます。 私自身、LGBTQであることに気づくまでの道のりは平坦ではありませんでした。自分の気持ちに正直になることへの戸惑いや、周囲の目を気にすることも多々ありました。しかし、様々な出会いや経験を通じて、自分を受け入れることができました。 その過程で感じた苦悩や葛藤、そして解放感について綴っていきたいと思います。同じような境遇の方々や、理解を深めたい方々と情報を共有し、つながることで、お互いに前向きな力になれれば幸いです。
こんにちは、愛美です。28歳、東京で一人暮らしをしています。エネルギー系企業の新規事業開発を担当していて、大学を卒業してからずっとこの仕事に取り組んでいます。忙しい日々ですが、ヨガやランニングを通して心と体をリセットする時間を大事にしています。 私にとって、昔から大切にしてきた価値観や伝統を守ることは、とても重要だと思っています。新しいものを追いかけるよりも、今あるものを大切にして、さらに磨いていく方が深い意味があると感じています。日常生活の中でも、しっかりとした土台の上で
Linの腕の中で横たわりながら、窓から差し込む昼下がりの柔らかな光を感じていた。静けさに包まれたこの空間で、私たちだけの時間が穏やかに流れている。 「愛美…」 その声に反応して顔を上げると、彼女の瞳が私をまっすぐ見つめている。 「少し、時間ある?」 突然の問いに戸惑いながらも、私は小さく頷いた。 「うん、あるよ。どうしたの?」 「あなたの写真をもっと撮ってみたいんだ。あなたのことがもっと知れる気がするから」 これからどんな時間が待っているのかは分からないけれど、
朝の光がゆっくりとカーテン越しに差し込んできた。目が覚めた瞬間、ここ2日間の出来事が波のように押し寄せ、胸が高鳴るのを感じた。ベッドの上で横になりながら、静かに天井を見つめる。Linとの時間が夢のようで、現実感がない。それでも、体の中にまだ残る温かさが、それが確かに起こったことだと教えてくれる。Linの顔が頭に浮かび、胸がぎゅっと締め付けられるような感覚が走った。彼女に触れられた感覚、彼女の声、彼女の目――全てが鮮明に蘇る。いつもの朝とは違う、この心地よい混乱は一体何だろう?
バスがバンコク市内に戻る頃、夕方の空は穏やかなオレンジ色に染まり、街の喧騒が私たちを迎えるように響いていた。いつの間にか手を繋いでいて、その温もりに安心しながら、うとうとと眠りについていた。Linの手の感触が優しく、旅の疲れが少しずつ消えていくようだった。 バスターミナルに着くと、微笑みながら声をかけた。「このままショッピングモールに行かない?」Linは目を瞬かせ、少し考えるように視線を落とした後、ゆっくりと目を上げてこちらを見つめた。その瞳には柔らかな光が宿り、頬にほのか
昼下がりの柔らかな日差しがカーテン越しに差し込み、まだお互いの余韻を感じながらLinの隣で横たわっていた。穏やかな空気に包まれながらも、時計の針がチェックアウトの時間に近づいていることに気づき、少しずつ現実に引き戻された。Linが微笑みながら、「そろそろ準備しようか」と優しく声をかけてくれる。その表情に応え、私もゆっくりと身を起こし、持ってきたショートパンツにTシャツを合わせて着替えを済ませた。鏡越しに自分の顔を見ると、今朝のひとときが何かを変えてくれたようで、その表情に少し
静かな波音が耳に心地よく響く中で、まだ朝食をとっていないことに気づいた。昨日の余韻が残っているせいか、それともLinが一緒にいるからなのか、時間の流れがいつもより柔らかく感じられる。しかし、腹の底にうっすらとした空腹感が浮かび上がってきて、「何か食べに行こうか?」とLinに声をかけると、彼女は軽く目を細めて微笑み、静かにうなずいてくれた。その柔らかな表情が、なんだか安心感をもたらしてくれる。立ち上がり、歩き出すと、足元でさらさらと鳴る砂の感触が心地よく、そっと心をほぐしてくれ
目を覚ますと、まだ薄暗い部屋の中に、昨夜の温もりがそっと漂っているのを感じる。身体に触れるシーツの冷たさと、微かに残る甘い香りが、昨日二人で過ごした瞬間がただの夢ではなかったことを、私にそっとささやいているかのようだった。 隣に寝息をたてるLinが目に映る。その姿が、予想以上に心の奥に深く響く。心は不思議なほど満たされ、穏やかでありながら、身体にはなおLinへの微かな欲望が宿っている。その滑らかな肌に触れてみたいと、下腹部が疼いている。しかし、彼女を起こしてしまうかもしれな
雨がようやく上がり、夕方の空気が澄んで心地よく感じられる。ビーチでのひとときは叶わなかったが、その代わりにLinが「和食はどう?あなたの国の料理を紹介してほしいわ」と微笑みながら提案してくれた。期待に満ちた眼差しに、しばらく日本の味を忘れていたことを思い出し頷く。 スマホでお店を検索していると、落ち着いた雰囲気の鉄板焼き屋が目に留まった。電話をかけてみると、早い時間であればまだ席が空いているとのこと。Linにそのことを伝えると、すぐに「いいわね」と嬉しそうに同意してくれたの
昼食が終わり、レストランの柔らかな照明が店内を包み込み、落ち着いた空気が流れる。タイの伝統的な装飾が施された壁や小物が、私たちの間に穏やかな時間を与えてくれているように感じる。心地よい満腹感と共に、少し名残惜しい気持ちも胸に広がっていた。 支払いのタイミングになると、Linが財布を手に取る姿が視界に入った。すっと手慣れた様子で会計を済ませようとする彼女。「今日は、私に払わせてほしい。」そう伝えると、思いのほか強い意志がその言葉に乗っている気がした。Linが一瞬驚いた表情を見
朝の静けさの中で心と体を整えようと、ヨガマットを部屋の中央に広げた。まだ少し緊張が残る体を感じつつ、深呼吸をした。空気には湿り気があり、肌に優しくまとわりつく。今日、Linと会うまでの時間で、少しでも自分をリラックスさせたかった。まずは軽いストレッチから始め、腕を天井に向けて伸ばす。呼吸を深めるたびに、肩や背中に溜まった張りが少しずつ解放され、ヨガの動きに合わせて心も柔らかくなっていくのを感じた。体を反らしながら、心の中でいくつもの思いがよぎった。Linと会うことへの期待、そ
朝の光がゆっくりとカーテン越しに差し込んできた。目が覚めた瞬間、ここ2日間の出来事がまるで波のように押し寄せ、胸が高鳴るのを感じた。ベッドの上で横になりながら、静かに天井を見つめる。Linとの時間がまるで夢のようで、現実感がない。それでも、体の中にまだ残る温かさが、それが確かに起こったことだと教えてくれる。Linの顔が頭に浮かび、胸がきゅっと締め付けられるような感覚が広がった。彼女に触れられた感覚、彼女の声、彼女の目――全てが鮮明に蘇る。いつもの朝とは違う、この心地よい混乱は
昼食を終えてLinと別れた後、頭の中はずっとLinのことを考えていた。彼女の笑顔、穏やかな声、そして自然体なその姿。どうしてこんなに彼女のことが気になるのだろう。同時に夜の懇親会のことが頭をよぎる。チームと合流して会話を楽しむのもいいけれど、正直今はそれよりもLinのことが気になって仕方がない。もっと彼女と話がしたい。もっと彼女のことを知りたい。そう思っている自分に気づいて、少し驚く。これまでの私なら、女性にこんな感情を抱くなんて考えもしなかった。 思い切ってスマートフォン
朝、目覚ましが鳴る前に目が覚めた。カーテンの隙間から差し込むわずかな光が、まだ薄暗いバンコクの街を照らしている。肌に感じるひんやりとした空気が、私の体を優しく包み込む。ベッドの中にいる心地よさと、この静けさの中で動き出したいという気持ちが交錯する。東京ではこんなふうにゆっくりとした朝を感じることはほとんどない。静かにベッドから起き上がった。目覚まし時計に手を伸ばし、アラームを止める。ホテルの部屋はまだ静まり返っていて、外からわずかに聞こえる街の喧騒もまだ遠い。今日という新しい
羽田空港を離れるとき、私の頭は整理されていた。整然とした空港内、ガラス越しに見える飛行機たちが規則正しく並んでいる様子は、東京そのもののようだった。全てが秩序立てられていて、まるで一つの大きな時計がきっちり動いているような感覚。それが、時折窮屈に感じることがある。そんな気持ちを振り払うように、チェックインを済ませ、飛行機に乗り込んだ。 飛行機がバンコクのスワンナプーム国際空港に着陸し、飛行機のドアが開いた途端、湿った空気が一気に体を包み込んだ。東京の乾いた秋の空気とは全く異