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三態(SST問題) ~あなたの指はどこを触るのか?~

OpenAIの12日間イベントのおかげで(?)早朝に目が覚めてしまう足立明穂ですw

さて、IT著者を名乗っている元エンジニアなので(なんや、そのややこしい肩書w)、言葉に関しては、いろいろと考えてしまうことがあります。

先日、近所のスーパーで買い物をしているときに、こんなことがありました。

そこは、専用アプリで、アプリにはクーポンとかが表示されます。レジで、アプリを立ち上げ、提示したところ・・

「クーポンがあるから、下にスクロールしてくれます?」

おぉ! なんと、親切なレジのおばちゃ、いや、おねーさま!

私は、スマホの画面をスクロールして、表示されてる画像の下の方へ・・・

「あ、下です! 下にスクロール!」

え? 下にスクロールって言わなかった? ちがうの? そうか、下というのは・・・・

「それそれ! スキャンしますね」

無事、100ポイントをゲットしました!www

って、分かりました?

スクロールって、ややこしいのです。

「下にスクロール」は2つの意味がある!

ご存じの通り、スマホの画面は、長いWebサイトの一部が表示されています。

で、ここで、下にスクロールというのは、2つの意味があります。

画面を下にスクロールする(表示されてるWebサイトを下に動かす)

画面を下にスクロールするという意味ですね。

Webサイトの上の方が表示されるようになります。

指を下にスクロールする(表示位置を下に動かす)

表示される位置を下に動かすという意味です。

表示位置が変わるので、Webサイトの下の方が表示されます。

スワイプやタップもあって、なんかややこしい・・・

「スクロール」って、なんか、Webサイトの上の方を表示するのか、下の方を表示するのか分からなくなってしまいます(え? 私だけ?w)。

さらに、スワイプやタップという操作もあって、人によって微妙に表現が違うので、もう、ほんと、ややこしいw

さらに、電子書籍の左右のスクロールとかもあり、日本語は、縦書きと横書きで、めくっていく方向が違うしで、そりゃ、もう大騒ぎさ!w

これを、スクロール・スワイプ・タップの3つの問題であり、三態問題としました。ええ、頭文字をとってSST問題とも言いますw

で、こんなに混乱するなら、未来の世界でも大混乱に違いない!ってことで、ChatGPTさんとSF短編小説を書いてみましたw

タイトル:三態問題(SST問題)

~ あなたの指は、どこを触るのか? ~


宇宙歴4923年。最新鋭の宇宙船《ノヴァ・ヴェクター》は、銀河パトロール艦隊の中でも最先端の技術を誇る一隻だった。

今日が、その初任務。今回は、敵から攻撃されたことを想定して、2チームに分かれての模擬交戦訓練だった。

しかし、艦長のカレンは、座り心地のいいシートに身を沈めながら、憂鬱だった。

『なにが、直感型操作パネルだ・・・
 嫌な予感がする・・・・』

その予感が的中したように、まっさらの操作パネルを見ていた操縦士のリクが叫んだ!

「艦長、敵艦が正面から接近中です!
 『タップで回避機動を実行』と表示されてるんですが、どこをタップするんですか?  右端ですか?左端ですか?」

館長のカレンはため息をついた。彼女はこの船に搭載された「直感型操作パネル」が大嫌いだった。

タップ、スワイプ、スクロール……触れば何かが動くが、何がどうなるかは全く一貫性がない。


「右端をタップすればいいのよ!」


カレンは叫んだ。


「右端をタップしたら自己診断モードになりました!」


リクが叫ぶ。


「それなら左端をタップ!」

「げっ! 左端は主砲の発射準備になりました!
 次、間違ったら、撃っちゃいますよ!!」

「えっ……じゃあスワイプ! 右にスワイプ!」


リクは、パネルにはわせた指を右に滑らせた――

宇宙船は華麗に上下を反転させ、敵艦めがけて突き進む・・・。


「逆だ!左にスワイプしろ!」


カレンが怒鳴る。


「艦長、そもそも『スワイプ』って上下にもできるんですよ!
 上下が入れ替わったし、上下左右のどっちですか!?」

宇宙船の操作パネルに表示された敵艦の距離は、急速に縮まっていた。

さらに悪いことに、敵のチームの戦艦も同じ直感型システムを採用していた。

2つの戦艦が、ギクシャクした動きをしながら、急速に接近していた。


「左にスワイプだと言っただろう!」

「違う! 左にスクロールだ!」

「そうじゃない! 上をタップしろ!」

・・・・・


そして、二隻の船はド派手に衝突した。



幸い、衝撃吸収システムが優秀だったので、ぶつかったもののけが人はほとんど出なかった。

修理工場では、《ノヴァ・ヴェクター》の修理が完了し、静かに次の任務を待っていた。

しかし、その内部では、あの衝突以上の大騒ぎになっていた。


「だから言ってるでしょ!」


館長のカレンは、開発エンジニアである若き技術者エリオに食ってかかった。


「右スワイプが回避行動なら、それをタップとどうして間違えないように設計しなかったのよ!?」

「館長、それは無理な話です!」


エリオも負けじと反論する。


「この操作パネルは直感的に操作できるのが売りなんです!
 スワイプもタップも、ほぼ反射神経だけで操作できるのですよ!
 画面にも操作説明が表示されるし迷うわけない!」


「誰が戦闘中に、そんな説明なんて読むのよ!」


「読まないのが問題なんじゃないですか!
 『スクロール』の基本的な意味だって、指示に明記されてます!」


「スクロールなんて使ったら画面がグルグル回って敵艦の位置がわからなくなったのよ!」


カレンの顔は紅潮し、エリオのこめかみには汗が浮かんでいた。

彼らは今や、戦闘の再現をしながらパネルを叩き、スワイプし、スクロールし続けている。

周囲の修理工たちは、関わりたくないと見て見ぬふりをして、黙々と作業をしていた。

ただ一人、最古参の修理工ジムは、煙草の代わりに古びた工具をくわえながら、静かに溜息をついた。

「……だったらボタンにすりゃいいのによ。」

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