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中小企業には参考にならない大手のAI活用事例という残念な話
IT業界の中の人から見る生成AIと、業界の外から見る生成AIとでは、大きなギャップがあるなぁって感じる足立明穂です。
ニュースとかで、「AIを活用して、1週間の作業が、たった1時間で完了!」とか、「お問合せの回答に半日かかっていたのが、AIだと、たったの5分!」とか見出しが躍ってますよね?
でも、これって、あなたの会社では、使えませんから! 残念!
って、話を書きたいと思います。
いや、信じたくない!って人は、読まないで、この講座でも受けてください(え?w)
本当に、そんな極端な時短ってできるの??
まず、ニュースの見出しを見ると、「本当かよ?」って思いますよねw
はっきり言っておきますが、事実です!w
「ほらー! やっぱ、すごいじゃん!」
「うちは中小だから、そこまでとはいかないけど、3割はいけるんじゃね?」
「やるっきゃないでしょ! 時代はAI!」
ええ、まあ、そう思う気持ちは分かります。
でも、いくら優秀なAIだとしても、「魔法のツール」ではありません。
導入したからといって、効率よくなるって話ではないのですよね。
IT業界の常識、非常識
ここで、いまさらながらですが、IT業界の常識と非常識をお伝えしておきましょう。
このことが、分かっていないと、AIだけでなく、何かと流行のDXだって、まったく意味のないことをやっちまいますよ!!
デジタル化されてないと、コンピュータは無駄な箱!
そんなの当たり前じゃん!って思われるかもしれないのですが、いざ、業務となると、思ってたのと違うということに・・・。
例えば、こんな会話。
「毎月の発注量を自動的に割り出せないかなぁ?
過去のデータを見たら、だいたい予測できるから、自動化したいんだよね」
「なるほど。では、どれぐらいの過去のデータでわかります?」
「そうだねぇ・・・ まあ、過去5年を見ればわかってくるよ。」
「では、過去5年のデータをAIに読み込ませて予測させましょうか?」
「おっ! いいね! やってくれる?」
「わかりました。それで、過去のデータは、どこに入れてます?」
「うちは、クラウドになってるから、そこ見ればいいよね。
あ、でも、クラウドにしたのは3年前か・・・。
それ以前は、古いパソコンにエクセルで入れてたかも。
クラウドにするときは、大変だったよ!
パソコンに入ってるエクセルと、
クラウドの表と両方を見ながら仕事してたっけ・・
そーいや、古いパソコンって、どうしたっけ・・・」
とまあ、こんなことになってきて、古いデータはどこかにあるはずということで、そこを探すところからになります。
場合によっては、過去のデータは修正することもないし、バックアップとかよくわからないから、印刷してファイルで保存・・・・。
そりゃ、資金に余裕があれば、打ち込みなおしてデジタル化とかできますし、さまざまなフォーマットになってるデータを変換して、すべて整えるとかもできます。
如何せん、そこまでの予算がないとなると・・・
「じゃあ、クラウドに入ってる3年で。
それでもAIなんだから、使えるよね?」
なんとなく、5年のデータが必要だけど、3年のデータだったら、6割ぐらいは、いい線で予測してくれそうに思いますよね?w
でも、これって、そんな単純なものじゃないんです。
おそらく、3割ぐらいしか、性能を発揮してくれません。3回に1回がまともな予測数値になる程度になるんです。これじゃ、使えない。
ルーチンワークになってるから自動化できるよね?
AIとかロボットとか、いろいろ知られてくるようになったので、自動化ってのも浸透してきています。
ルーチン化した作業なんて、自動化したいし、特に、パソコンでやる操作だったら、自動化なんてすぐにできそう・・・。
ところが、実際には、そう簡単ではないのですよねぇ・・・。
先ほどの企業に、また登場してもらいましょうw
「御社の業務は、ルールとか決まってますか? そういう定型業務とかは、自動化しやすいんですよね。」
「もちろんだよ。きっちりルールが作られてるから、みんな決まったフォーマットに書き込んでるし、クラウドも使ってるから問題ないと思うけどね。」
「では、現場の方にヒヤリングさせてください」
1週間後・・・・
「現場の方に聞いたのですが、ルール通りでやると遅くなるから、担当者によって、違うようですよ。
会社に戻って打ち込むより、商品管理の担当に電話して押さえてもらうとか、口約束で先に納期とか決めて、後でまとめて打ち込むとかしてますよ」
「え? そうなの?
それは、けしからんな! ルールを守るように徹底させるから
まずは、システムを開発してくれ!」
半年後、その新しいシステムは、誰も使っていなかった・・・(^^;
ってなことは、起きているのですよ! マジで!
ルールができていても、実情に合っていないとか、運用されていないとか、そんなことが起きています。
引継ぎとかがうまくいっていないと、何のためにやるのか理由が分からないので、だんだん、独自ルールが生まれてくるのですよね。
かといって、厳格に守らせようとすると、実情に合っていないから、守れなかったり、効率が悪くなってしまったり・・
AIなんだから、これぐらい簡単にできるよね?
ヤバいです! ヤバすぎます!
やたらニュースで、AIが大学の入試問題を解いたとか、資格試験に合格するレベルになったとか報道されるものだから、何でもできる優秀なスタッフのように思ってしまいます。
弁護士資格も医師免許も、そして、国際数学オリンピックで銀メダル級とか言われたら、とてつもない「賢いAI」ですよねw
それに、最近は、音声認識なども優秀で、議事録とかもサクッと作ってくれるサービスとかも、次々出てきています。翻訳だって、お茶の子さいさい!
だった、うちの会社レベルだったら、議事録とか、あれこれ記録しておくのに、いいんじゃね? 電子帳簿とかも対応していかなきゃならないし、やっぱ、AI使わないと!
ところが、なかなか厄介な問題が潜んでいて・・・
「消防士か救助隊が来るかもしれない」という発話に対し、Whisperが「少なくとも1 人の作業員が重度のショック状態になって到着する可能性がある」という情報を勝手に付け加えたケースが見られたそうだ。また存在しない薬の名前が追加されることもあったそうである。
Wisperというのは、ChatGPTを開発したOpenAIの音声認識AIです。単に、音声を文字にしてくれると思いきや、そこは、「生成AI」なので、情報を勝手に生成してくれちゃうんですよ。
議事録とかお手軽にできるけれど、よく見ておかないと、日付が間違っていたり、発言者が違う人になってることって実際に起きています。
確かに、AIは爆速で進化してるのですが、誤ったことも爆速で紛れ込んできて、それを確認する人間側が追い付かないのです。
私が「つる兄」と慕っている湯川鶴明さんが、面白い表現をしていました。
「自分より頭のいい人が、どれだけ頭いいのか分からないのと同じですよねー」
そうなんですよ。困ったことに、AIがどんどん賢くなっていくのですが、そのAIの回答が正しいのか間違っているのかは、凡人には分からなくなりつつあります(^^;
それを、社内業務で『安全に使う』って、どうやるの?www
で、大手企業は、めっちゃ賢い人たちをアドバイザーに迎えたり、めっちゃ賢くなるチューニング(学習データを用意する)などやっていて、とんでもない金額をかけています(初期費用だけでなく、ランニングコストもすごい!)。
中小企業には、真似できません。
でも、中小には、中小の使い方ってのがあるのですよ!!
AIも所詮、資本力がないと使えないのかって、悲観的になってきました?(^^;
安心してください! 中小には、中小の使い方ってものがあります。
中小企業の経営者さんで、勘違いしてるのは、『業務を100%任せたい』っていうこと。
現時点では、AIに100%任せることはできません。いや、これは、技術の問題だけでなく、『責任』の問題なので、5年や10年では解決できないでしょう(もっとも、SFのような解決策はありますが、法律が追い付くかな・・・。これについては、別の機会に)。
今だったら、何かトラブルがあったときに、失敗した部下に向かって
「何やってるんだ! 一からやり直せ!」
って、激怒することもできますが、AIに置き換わったら、その怒鳴る先はありません。
システム開発をした会社に責任をとらせるといったところで、システムが悪いわけでもないし、そもそも、「何か起きたら責任をとります」なんて、契約書は結ばない。
学習データが間違っていたとなると、それは、そもそも、それを提供したあなたの会社の問題。
運転手が乗らないようになったレベル5の自動運転の車が事故ったときの責任は、どこにあるんだ?と同じようなことになります。
だから、100%任せるのではなく、アシスタントとしてAIを使うところに留めておきましょう。
例えば、お客様からのメールの回答をAIが作成するにしても、一旦、チェックしてから送るようにするのです。そうすることで、内容のおかしなところがあれば、手作業で修正するにしても、かなり時短できます。
議事録なども、人間がチェックして、修正すれば、ゼロから作るよりも、はるかに効率はいいですよね。
ここまでの記事をChatGPTに確認してもらったら・・・
で、ここまでの文章をChatGPTに確認してもらいました。すると・・・
ブログ全体としては非常に生き生きとした語り口で、中小企業が陥りがちなAI活用の誤解や問題点を実例を交えて説明していて、説得力があります。ただ、少し補足や修正するとさらに読みやすくなる箇所や、論点が明確になるポイントがあると思います。
修正・補足の提案「大手企業の事例は参考にならない」の具体性強化
現状、AI導入の課題の例は多く挙げられていますが、「なぜ大手の事例が参考にならないか」という点が少し薄いようです。具体的に「大手はデータが豊富で一貫している」「専任のデータサイエンティストがいる」「AIソリューション開発に多額の投資をしている」などを最初に挙げて、読み手が「やっぱり大手と中小は違うな」と理解しやすくすると、内容がさらにスッキリします。
「AIの限界」に関する誤解の整理
「AIは賢いが、どこまで賢いか凡人には分からない」というくだりも面白いですが、AIの得意・不得意が明確に分かっていないと、読者が「AIは万能ではない」の一言で片付けてしまう恐れもあります。例えば、「AIが得意なのは過去にパターン化された事例の処理、不得意なのは創造的かつ新規の課題に対応すること」といった一文があると、AIの具体的な「限界」がイメージしやすくなります。
「中小企業にとってのAI活用の現実」部分の強化
現状の内容だと「アシスタントとして使う」という点に集約されていますが、もう少し「中小企業が実現できる具体的なAI活用法」を挙げると良いかもしれません。例えば、「AIでの在庫管理」「簡単なメール返信の自動化」「よくある質問の返答自動化」といった、低コストで取り組めるAIの使い道を提案することで、前向きな活用イメージが湧きやすくなります。
「失敗したときの責任」についての補足
AI導入において、責任の所在について触れている部分は重要なポイントですが、「具体的にどんなミスや問題が発生しやすいのか」を補足すると理解が深まるでしょう。たとえば、「AIによる顧客対応での誤回答」「請求書作成のミス」など、より具体的な事例を挙げ、そうした場合に「どこに責任が生じるか」という流れがあると読みやすくなります。
読みやすさのための表現修正
会話形式や、テンポの良い語り口は親しみが湧きますが、時折使われている口語表現やwの多用は、読み手によっては軽く感じる可能性もあります。「w」を控えめにし、改行を活用して文章を整理すると、さらに読みやすくなります。
追加例: 具体的な中小企業向けAI活用方法の案
文末に、次のような形で簡単な具体例を追加するのも良いかもしれません。
中小企業が試しやすいAIの活用例
在庫管理の簡単な予測:月単位の在庫や売上予測を立ててみることで、仕入れの計画立てが簡単になります。過去データが少なくても、売れ筋の単品予測を試しに始めることが可能です。チャットボットでのお客様対応:定型の質問(商品の在庫確認や営業日など)について、自動で回答できるチャットボットの導入。簡単な議事録の作成支援:音声認識AIを活用し、会議の発言を記録・整理するなども低コストで始められます。
・・・。 さすがです・・・・(^^;
こんな風に、自分の書いた文章をチェックしてもらって、編集や校正を手伝ってもらうことができるのです。
そうすると、抜けているポイントや、分かりにくいところが浮き彫りになります。
これだったら、大手企業のように莫大なコストなどかけなくても、導入できますよ!!
他にもいろいろな活用方法はあるので、いまから取り組んでおくことが大事。今は、大手企業しかできないようなことも、あっという間に機能として提供されたり、新しいサービスが出てくるので、AIのクセや、使い勝手を知っておくことが本当に重要なのです。
がんばりましょう!!
そんなことのヒントは、下記でもしゃべってるので、よかったら見てみてください。