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徒華を咲かせ、咲かせ続ける男達

ご無沙汰しております。網野誠也です。徒華新書のサークルとしての最後に私の挨拶を書きましたので掲載させていただきます。

最初のあいさつ文

久保「お前これ自分に向けて書いてねぇか?」
北条「お前サークルとして書く最後の文章だぞ?ある意味餞別だぞ?もっと素直になれよ」

……じゃあもっと真っ正直に書かせていただきます!読者の皆様よろしければお付き合いください!!これが私が語る徒華新書のこれまでの1年間と自分の決意です!


徒華新書の発足と自分の絶望

徒場新書に私が加入したのは昨年の11月ごろです。仕事がうまくいかずアイデンティティクラッシュしていた僕は久保さんが新規サークルを立ち上げるといって「楽しかった大学のあの頃をもう一回楽しめる!!」と参加表明をしました。

というのも、私は社会人をしながら網野すずめという名義でTRPGも作っていました。コミケ参加と頒布実績もあり、もともと久保さんや北条さんと一緒のサークルで研究発表もしていました。なので、「負ける気せぇへん地元やし」状態で調子に乗っていましたね。


しかし、そこに待っていたのは高すぎるハードルでした。


久保さんと北条さんは当初からこのサークルでガチで好きなことで飯を食うと「覚悟」していました。2人は生涯をささげてきたミリタリーという沼に残りの人生をベットすることにしたのです。

 そして最初の編集会議、私は絶望しました。一切話題についていけません。私には当人たちが何を言っているのか全く分かりません。5式戦闘機のことやOKW、Tigerという固有名詞すらちゃんとわかってません。

 そんな時に久保さんに「お前すげぇ絶望的な顔してるなw。けどな、お前が踏み込もうとしているのはそういう道だ」と言われたのは今でも鮮明に思い出せます。2人の覚悟はそこまで硬く、ゆるぎないものでした。

2人はどんどんミリタリーのテーマが湧いていきます。ロジックでミリタリーを徹底的に構造化する久保さん、ドイツ戦車を無限に因数分解してイギリス鉄道史までたどり着いた北条さん。どちらも好きを追求する男2匹。けど私はそれに対して理解とも肯定とも何とも言えないうなずきをするばかりでした……

補助燃料付きロケットスタートそしてガス欠

そんな中でも徒華新書の活動は始まっていきます。各執筆メンバーによる3連続投稿です。私は最後の投稿でしたが、この頃からすでに仕事も激化して全く記事を考えられていませんでした()

なので、この頃から2人にシバかれながら記事を書いていました。この記事のテーマ案は久保さんにもらいましたし、構成の詰めも手伝ってもらっています。終始頭抱えている猫ミーム状態でしたが…

けど、この記事は皆さまのおかげで今でもいいね数が上位にランクインしております。本当にうれしくて職場の上司にも見せてしまいました。シンプルに驚嘆されました。

けど、私が執筆者として参加できたのはここまで。以後私は仕事とサークル以外のプライベートでトラブル続出で、生活基盤が崩れかけていたのです。けどここで諦めたくない。絶対2人を超えてやるという気持ちと板挟みになり、一回かなり精神的にオちました。

その状況を見かねた久保さんが3月くらいに「お前に記事書かせられない。休め。お前の分も俺が書く」そういわれて正直肩の荷が下りてホッとしている自分がいました。

たった2輪のつぼみ

そんな中でも2人は全力で自身の徒華を咲かせるために死力を尽くしました。仕事でメンタルをやられた久保さんは朝8時に起きてフルタイムで執筆する仕事のような生活をしています。北条さんは不安定な仕事スケジュールで習慣を作るのが厳しいのにも関わらず、己のバイタルと貪欲な知識欲をぶん回して長編を量産します。

私はそれを22時の総武線で見ていました。日々2人はDiscord上で進捗と記事の相談をやり取りします。私はそれにスタンプを送るだけです。もう内容がわからないのです。

けれど、それが茨の道であることは知っています。2人とも後がないのです。アラサーであり、安定した職のない2人はこれで失敗すると社会で非常に不利になる。

私はそれを指をくわえてみておりました。

徒華が咲くその日

そうして8月13日。夏コミ当日。2人は最上級の徒華を咲かせました。足を運んだ人は本を読むと1000円札を取り出します。

2人の作った本は読者の人に刺さったのです。本当にきれいな徒華でした。初めてのサークルで、300冊以上本を発注し、200ページ以上の新書を10万円以上の借金して印刷する。完全に極まっている人の発想です。しかし、極まった人間が最高の徒華を咲かせたのです。

私も午後から売り子として手伝いました。というか2人が寝不足と熱中症で倒れかけてたので緊急参戦デス。今思うとあの時が、私が一番徒華新書で目立ってた時かもしれません。

それにしても正直信じられない光景でした。どんどん本がなくなっていきます。最後には段ボール1つにまで減りました。

その光景をみて私は嬉しくも同時に悔しくもありました。同人作家として、物書きとして、完全に負けた瞬間です。

それぞれの道。私は

そして、それから1ヶ月が経ち、久保さんから徒華新書がより商業的に大規模になることが発表されました。

もう、あの頃のワナビーはいません。なんなら久保さんと北条さんは商業にもものを書いています。そして、2人はもう自身の道を決めました。

一方私は社会人として頑張って働いています。同人活動は……正直1年近くできていないです。

これが普通です。まともです。けれど、不完全燃焼すぎる。というか、裏であれだけシバかれまくって結局何も結果を出せてないのはムカつきます。やっている仕事も一緒です。プロジェクトは激やばですが、そんな中でも中途半端な品質のものを出してクライアントにシバかれるのは非常に不服です。

なので、私も自分の道を行きます。まずは仕事です。次に年末、冬コミに出ます。私のTRPGを買ってくださった人たちに向けてまた「まだ俺の作ったゲームを楽しんでくれた皆様!!ありがとう!!まだやります!!」そう行動で示したいと思います。

長い自分語りでしたが、私も自分の道を行くことを皆様にお伝えさせていただきたく、この記事を書きました。

ここまで読んでくださった読者の皆様誠にありがとうございます。最後になりましたが、今後とも徒華新書をよろしくお願いします!!!

北条さん・久保さんへ

大学時代からの5年間クソお世話になりました!!口が悪くて何度もはったおしてやろうかと思いましたが、人生の事・研究の事・仕事の事・同人活動の事いろんなことを教えてもらいました!!

徒華新書としてかかわるのは最後になると思いますが!今度は網野すずめ・社会人○○○○(本名)として飲みに行きましょう!!

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徒華新書(ミリタリー実は知らない話)
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