ACWA BASEは、みなさんにとってどんな場所ですか?
この2月に1周年を迎えた、京都府久御山町の「ACWA BASE」。
いつ来てもいいし、いつ帰ってもいい。
だれが来てもOK。
たくさん働いてもいいし、
おしゃべりだけでもいい。
そんな今までにない働き方を実現する「地域循環ワークシェアリング」の場としてオープンし、訪れた方々がまちの病院や高齢者施設からお預かりした洗濯物をたたんでいます。
私がお伺いしたのは火曜の午後。ACWA BASEには、地域の方が6名と、運営会社であるアグティのスタッフ2名がいました。地域の方の年代は、20代、50代、60代、70代、80代、とのこと。
いつもこの時間帯はにぎやかなメンバーが集まるそうで、こちらから聞かずとも「そんなことまで話しちゃっていいんですか?」とつっこまずにはいられない話題がどんどん出てきます。ちなみに、午前中は黙々と作業をする方も多いそうですよ。
最初のお給料は1,000円ちょっとやったけど、それでも本当に嬉しかった
一般的なアルバイトやパートの仕事とは違った新しい働き方を提案しているACWA BASE。来られているみなさんにとって、ここはどんな場所なのでしょうか。ガラス戸を開けて中に入ると「いらっしゃい!」「お茶いれよか?」とすぐに声をかけていただき、一緒におやつをいただきながらお話を伺いました。
「録音させてください」と言うと、「そんなん喋られへんわ、どうしよう!」と一瞬静かになったみなさんでしたが、すぐにいつもの調子でおしゃべりしてくださるように。
みなさん徒歩圏内に住んでいて、特にすぐ近くのマンションからはたくさんの方が来られています。お子さんの同級生がいたり、義理の両親のお隣さんだったり、前の職場の常連だったりと、意外なご縁に驚くことがよくあるそう。「でも、ここがなかったら出会えなかった」という言葉に、笑顔でうなずくみなさん。ACWA BASEで顔を合わせると、終わった後も喫茶店に行ったり、餃子を食べに行ったりとおしゃべりが尽きないんですって。
「色んな人生が見えて、おもしろいねん。小説を読んでるみたいな気持ちになることがあるよ」
という言葉から、幅広い年代の方が入り混じる場ならではの魅力を感じます。この日、私が一番印象的だったのは、みなさんのリアルなお金の話でした。
他のメンバーよりも二回り、あるいはもっと若い20代の方も「めっちゃ勉強になります」と楽しそうです。
それぞれのペースで、お互いに声をかけ合って仕事ができる
よく来るメンバーのひとりが首を痛めてしまって、しばらく顔を見ていないと心配するみなさん。「今日も誘ったんやけど、用事があるって」「こないだすれ違ったよ、車乗ってはったわ」と、この日も彼女の話がたびたび出ていました。壁に貼られたカレンダーには、その方の通院日が書かれています。
「この年になると、お友達が減っていくから。ここで友達ができて、宝物よね」
という言葉の通り、家族のような、部活の仲間のような、あたたかい人間関係が当たり前にある空間。ただ場所と仕事をつくっただけでは、この空気は生まれないと思います。一方で、楽しい時間を過ごせるだけでなく、経済的なメリットがついてくることもACWA BASEの魅力なんですよね。
色んなお話を聞いて、そろそろ1時間が経とうとしていた頃。ひときわ明るくて「しっかりしている」と言われていた女性に対して、「この子がよう泣かはるからな、いつもハグしたげるねん」「こう見えて泣き虫やねん」と周りの方々がおっしゃる場面がありました。その様子があまりにも幸せな空気に包まれていて、
「いいなぁ、青春ですね」
と思わず口に出していました。はにかんだような笑顔で「え〜、青春やって!」と肩を寄せ合うみなさんの姿がうらやましいくらいに可愛らしくて、私までハッピーな気持ちにさせてもらいました。
大盛り上がりのインタビューを終えて、作業台に戻るみなさん。スタッフのお二人も「みんなよう働くなーってびっくりしてます」「今日は誰が来てくれるかなって、私らもいつも楽しみで」と笑顔で洗濯物の仕分けを進めます。ACWA BASEに興味を持たれた方は、ぜひ一度現地を訪れて、この空気を感じてみてください。
ACWA BASEのみなさん、ありがとうございました!
運営:株式会社アグティ
文・写真:柴田 明
\ ACWA BASE を紹介するリーフレットができました! /
こちら↓からpdfデータをダウンロードして、ぜひご覧ください。
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