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【オンライン講義記事】経絡経穴概論(腹部)

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前回先に配布していた
問題の解答解説と、
国家試験のポイントについてです。

8月8日土曜日に
オンライン講義をして、
その際の内容を
記事化したものになります。

少しでも講義の雰囲気を
味わっていただければと思います。


解答1

スライド4

教科書のP10あたりに、
五要穴の概略が載っています。

原穴、郄穴、絡穴
募穴、兪穴

それぞれにどんな特徴があるのか
を理解しておく必要があります。

診断・治療に使用頻度が高い
ということは
国家試験での出題頻度も高い
ということです。

1の原気が多く集まるところ
というのは、
原の字が入っていることから
原穴ではないかと簡単に導けます。

一般的に郄穴は急性症状に、
絡穴は慢性症状に用いるとされています。

郄穴は他に
「もとの状態に戻す」
「すみやかに邪をしりぞける」
といった力を持ちます。

絡穴は本経脈と他経脈を
連絡するために分支するところ
です。
経脈の虚実が現れやすく、
表裏を同時に治療することができる

とされています。

2が答えです。
臓腑の気は募穴(腹部)に集まり
兪穴(背部)に注ぐ
イメージですね。


解答2

スライド6

この辺りは下腹部経穴の
横並びが頭に入っていないと
解くことができません。

下記スライドでポイントを説明します。


解答3

スライド8

1の子宮というのは
正経十二経脈に所属しない
奇穴のことです。

前正中線は任脈
外方5分は腎経
外方2寸は胃経
外方4寸は脾経

という順で並びますが、

外方2寸5分や
外方3寸など、
イレギュラーな位置にある経穴は
出題されやすい
ので注意してください。


解答4

スライド10

これフォントの大きさの影響で
問題文が、というか日本語が怪しいですね。

臍中央からより離れた経穴を選ぶ
という意味です。

この場合は下方4寸、外方5分にある
大赫という経穴ですね。


解答5

スライド12

募穴というのは
腹部と胸部にあるので

早めに位置を理解しておくと
学習のたびに
あれどこだっけ?
とならずに済みます。

ぜひ腹診や刺鍼で
触れることを繰り返して
体験で覚えてもらえればと思います。


解答6

スライド14

臍中央のラインには
経穴が多く並びます。

前面の腹部
側面の側腹部
後面の腰部
と一周しているため
より立体的に
経穴の位置を把握してください。


解答7

スライド16

腹部の筋といえば腹直筋ですが、
外・内腹斜筋上に
位置する経穴もあります。

常にその経穴の下には
何の筋肉があるのか
意識
して学習してください。

腹部や背部ではあまりありませんが、
上肢や下肢といった部位では
ピンポイントで筋を狙った治療が
問われることも多い
ので注意してください。


解答8

スライド18

これはヤコビー線です。

通常ヤコビー線は後面(腰部)にて
第4腰椎棘突起を探す指標になります。

これを前面側で考えると
臍と同じ高さになります。


下腹部の経穴配列

まずはざっくりで良いので、
経絡と経穴の位置を把握します。

スライド19

個人的には経穴名は
後から覚えます

スライド20

駅名(経穴名)とかを
覚えるのと感覚は近いです。

その前に線路(経絡)や
駅位置(経穴位置)を先に覚えます

横並びは1セットで
覚えられますが、
変な位置にある経穴には
注意が必要
です。

スライド21

ここは急に位置が問われたりすると
もう動揺が半端じゃなくなります。

なんとなくこの辺だったような…
くらいまでは出ても、

正確な位置を覚えておかないと
解答をミスる可能性があります。

注意したいのは気海、腹結、
府舎、子宮、急脈、衝門
です。

スライド22

また募穴も出題されやすいので
位置は間違えずに覚えてください。

下腹部の募穴だけで4つ

募穴は12個なので、
このエリアだけで1/3もあります。

よくある出題の仕方は、

「〇〇の下方〇寸にある経穴は
どの臓腑の募穴か」

みたいなちょっとひねった
出題の仕方をされます。


学習の流れとしては、

・経絡の位置
・経穴の位置
・経穴名
・通常とは異なる位置の経穴
・募穴など特殊な経穴の位置

となります。

どれも外すことはできないからこそ、
1つずつ確実に把握してください。

あとは解剖学的に
出題しやすい経穴もあります。

・筋肉
・神経
・動脈
・骨指標(関節)

などです。

スライド23

今回、私の作った問題は
骨指標を用いた問題でした。

ヤコビー線は通常だと、
第4腰椎棘突起を探すときに
重要となります。

スライド24

あんまり学校では
説明しないかもしれませんが、
ヤコビー線は前面側では
臍と同じ位置になります。

そのためこの位置では、
経穴がぐるりと
まるで惑星のように並んでいます。

腹部で解剖学的に出題しやすいのは
一部の筋のみとなるため
ほとんど出ない可能性もありますが、

常に筋・神経・動脈
意識しておくと良いと思います。


解答9

スライド26

これも解答1と同じで
教科書のP10あたりに書いてあります。

任脈にも絡穴があります。

むしろ募穴か絡穴しかないので
他と比べると覚えるのは楽だと思います。


解答10

スライド28

任脈の絡穴は鳩尾です。

よくこの胸骨体下端の中点と
間違われやすいんですが、

臍中央(神闕)~
胸骨体下端(中庭)は8寸
であり
骨度法から考えてみれば
そんなに難しくないかなと思います。


解答11

スライド30

これも日本語めちゃくちゃです…

上方3寸上
というより
上方3寸の高さです。

陰都は上方4寸の高さです。


解答12

スライド32

これは任脈の経穴です。

胸骨体下端の下方1寸は
臍中央の上方7寸と同じです。

どちらで出題されても良いように
取穴文は「部位」と「取り方」
の両方を理解しておくと良い
と思います。


解答13

スライド34

これも日本語が…

5寸上ではなく、
5寸の高さにあるものです。

日月は第7肋間ですが、
臍中央の上方5寸の高さにあります。


解説14

スライド36

よく間違えやすいのは
第6肋間の期門(肝の募穴)
第7肋間の日月(胆の募穴)
第11肋骨前端下縁の章門(脾の募穴)

となるのでご注意を。


解説15

スライド38

ここも間違えやすい並びです。

膻中の位置からしても
心を連想しやすいですが、
この膻中は心包の募穴です。

循環器疾患や心疾患が、
みぞおち付近に痛みを訴えることを
照らし合わせると、
巨闕が心の募穴というのも納得できます。


解説16

スライド40

八会穴には、

腑会・臓会・筋会・髄会
血会・骨会・脈会・気会

などがあり、
それぞれの気が聚るところ
とされています。

腑の病は腑会、
臓の病は臓会を使って
それぞれ治療を行います。

中脘は腑会に分類されます。


解説17

スライド42

胸骨体下端の中点にあるのが中庭であり、
臍中央の上方8寸でもあります。

胸骨体下端の下方1寸には鳩尾があり、
剣状突起の位置にあたります。


上腹部の経穴配列

ここも下腹部と同じで、
経絡と経穴の位置を
ざっくりと覚えます。

スライド43

下腹部と違うのは、
結構どの経穴もお行儀よく
並んでくれているなぁという印象です。

スライド44

臍中央の

上方3寸
上方5寸
上方6寸

のラインには、
経穴が4つ並んでいるので、
4択問題も作りやすいかなと思います。

とはいえ3つ並んでいても作りやすいんですが。

スライド45

下腹部に募穴が4つ
上腹部にも募穴が4つなので、
これだけで2/3カバーしています。
(章門もいれれば9つです)

国家試験もそうですが、
臨床でも重要となるので
ぜひ触れながら覚えてください。


まとめ

スライド46

一度に腹部を全部やろうとすると
散らかってしまうので、
上腹部と下腹部に分けて学習すると
整理されて位置の把握がしやすくなります

任脈というのは
学習の頻度が高くなる傾向にあるので、
そんなに忘れたりしませんが、
腎経や胃経は抜けやすいのかなと思います。

スライド47

また、横並びはただ出題されやすいだけでなく、
人体を立体的にイメージできているかどうか
がよく分かります。

他の教科ではデルマトームを絡めた問題もあり、
そういった問題に対応するためにも
できるだけ3次元のイメージを持つべき
かなと思います。

よくどうやったら経穴を覚えられるか
という質問がありますが、
個人的には

10回書くより1回触れる

ほうが記憶に定着されるので、
暇さえあれば

触れて押して刺してみる

のが良いと思います。

あとは単純に使用率の高い経穴が
国家試験でも出題されやすい
ので

まずは五要穴や五行穴の位置が
しっかり分かるだけでも
全然違うんじゃないかなと思います。


最後まで読んでいただき
ありがとうございました。

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