鍼灸/あん摩マッサージ指圧/柔道整復の施術所開設について
鍼灸/あん摩マッサージ指圧/柔道整復の施術所を開設する際の手続きについて、非常にわかりやすくまとめられていたのでご紹介します。
https://www.city.kawasaki.jp/350/cmsfiles/contents/0000114/114641/guidance.pdf
授業でも習う内容ですが、実際に保健所へ行くと、いろいろ不備や指摘が入るので、上記の資料を参考にしたうえで読んでいただければ幸いです。
なお、市区町村が異なったとしても、概ね変わりはありませんが、開業を予定している市区町村も独自に用意しているか、ホームページまたは担当の保健所へ問い合わせてみることをオススメします。
手順
1、事前相談
施術所仮設の届出は、開設後10日以内に提出する必要があります。
そのため、まずは「物件を借りる前」「店舗工事に入る前」に必ず担当の保健所へ行き、図面や資料を持って打ち合わせをしましょう。
「間取り(面積)」「換気」「消毒設備」「名称」など、基準をすべて満たさないと開業することができず、完成してしまってから直すとなると、かかる費用も増えてしまい、非常に手間となります。
必要書類などは、ホームページでダウンロードできるところがほとんどなので、開業したい時期や借りたい物件が見つかったらダウンロードして書き始めると良いかと思います。
2、設備基準
詳しくは上記のリンク(PDF)にて確認してください。
他の市区町村と違い、図入りで解説されていて、非常に親切です。
①6.6㎡以上の専用施術室
ベッド1台の場合は6.6㎡以上/台の施術スペースが必要になりますが、複数台ある場合は、全ベッドに対する面積で申請します。
②3.3㎡以上の待合室
アパートの1室を利用した、ベッド1台の完全予約制の場合は、玄関と廊下を使って待合室にしました。
ここで大きな問題になるのが、待合室と施術室が壁で仕切られていることが求められます。
「壁でなければならない」という記載はありませんが、担当の方はそれを強く指定してきます。
事前の面談で、「賃貸のため穴あけなどの工事ができない」「空調の関係で上をふさぐことができない」「パーテーションで仕切らせてほしい」などの確認、了承を得てください。
③施術室の床面積に対して1/7以上の外気開放、または大腿の換気装置
窓が多く、面積も足りていると思っていても、高層階で窓が全開で開かないケースがあります。おしゃれな窓で、前後にちょっとだけ開くタイプもあります。このような窓にはくれぐれもご注意ください。保健所が確認するのは「外気開口部の大きさ」です。そのため窓が前回に開かない場合は、換気装置が必要になります。
この際、室内の空気清浄機で代替しようと考えると思いますが、空気清浄機は外気に開放されていないので認められません。自宅の1室を治療院にして診療を計画される方は要注意です。
④消毒設備
これは手洗いスペースと消毒設備の確認です。
なかにはオートクレーブを設置するように指示される場合がありますが、いまどき鍼を消毒・滅菌して使いまわす人も少ないので、「ディスポーザブルの使い捨て鍼を使い、専用業者で処分します」と言えば問題ありません。この際、廃棄業者との契約書を提示するよう指示されるので用意しておいてください。後日提出することも可能です。
ちなみに、手洗いスペースは施術室内にある必要はありません。
⑤その他
▶併設する場合
はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧の施術所と、柔道整復の施術所を併設して開設する場合は、施術室をそれぞれ分ける必要があります。
添付しているPDFには「施術者が1人で開設する場合は、この限りではありません」とあり、これも事前に確認が必要な案件です。
▶名称
施術所の名称に関しても、地名や駅名を使用するとすでに申請、使用されている場合があるため、開業準備を始めた段階でリサーチし、事前の面談で使用できるか確認しておくことが大切です。
特にこれから開業される柔整師は「整骨院」が使えなくなり、「接骨院」でなければならないという話も出ているので要注意です。
まとめ
保健所の担当者は、鍼灸あん摩マッサージ指圧、柔道整復の施術所開設以外の業務を行っているため、すべてを熟知しているわけではありません。
そのため、「あれ?そんなルールあった?おかしいな」と思う場面も出てくると思います。
たとえ相手がおかしいなことを言っていたとしても、決して怒らず、冷静に対処しましょう。
先方は、開業を拒否しているのではなく、地域の安全のためにチェックをしているだけです。
開業することは1つの目標ではありますが、ゴールではありません。しっかり準備して、より良い院を作ってください。
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