よもぎの効果と概要
今回はよもぎの効果と概要について書いていきます。最近ではよもぎ蒸しが流行っていますよね。僕もあれには賛成です。エビデンスは?と言われるかも知れませんが実際に体を温めることができます。もちろん今後エビデンスを出していく、検証していくことももちろん大切です。
わたしは鍼灸師ですのでよもぎはとても身近に使用しています。
よもぎは艾(もぐさ)の原料でお灸に使用するのに必須です。さまざまな灸法が伝えられていますが、各灸法に関してはまた後日まとめます。
今回はよもぎの効果と概要について解説していきます。
よもぎとはなにか?
よもぎはキク科ヨモギ属に分類され、公園や河川敷や野山などさまざまな環境下で発見できる多年草植物です。世界では400種類以上の品種が登録されており、日本国内には約30種類が確認されています。
葉っぱの表はみどりですが裏に絨毛(白い綿のようなもの)があるのが特徴です。
よもぎの葉に含まれる栄養素
ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンK、葉緑素、食物繊維、β‐カロテン、葉酸などの健康成分がバランス良く含まれています。
ビタミンAとβ-カロテン:
これらは強力な抗酸化物質であり、目の健康をサポートし、免疫機能を強化し、皮膚の健康を維持します。ビタミンAは夜間視力の改善にも役立ち、β-カロテンは体内でビタミンAに変換されるため、同様の効果が期待できます。ビタミンB1(チアミン):
炭水化物の代謝を助け、食べ物をエネルギーに変える重要な役割を果たします。神経系の機能を正常に保ち、心の健康をサポートすることも知られています。また疲れやすい人にもおすすめビタミンB2(リボフラビン):
体内のエネルギー産生に不可欠であり、皮膚、目、口内の健康を維持し、鉄の代謝を助けることで貧血予防にも寄与します。脂質の代謝を助け、皮膚や粘膜、髪、爪などの細胞の再生に役立ちます。ビタミンC:
ストレス、風などの免疫機能の強化、皮膚の健康促進、傷の治癒をサポートします。また、強力な抗酸化作用により、細胞を自由ラジカルから保護し、慢性疾患のリスクを減少させる可能性があります。ビタミンK:
止血作用があり、骨の健康維持に必要です。カルシウムの代謝を正常に保ち、骨粗鬆症の予防に役立つことが示されています。骨粗鬆症や閉経後の女性は意識して摂取したい栄養素葉緑素:
新陳代謝を促進し、血液の質を改善する効果があります。(末梢血管を拡張するため)また、体内での酸素の利用効率を高め、全体的なエネルギーレベルを向上させる可能性があります。食物繊維:
腸内環境の改善に寄与し、便秘の予防や改善、腸内フローラのバランスを整えることで全体的な健康に良い影響を与えます。また、血糖値の急激な上昇を防ぎ、満腹感を長く保つ効果もあります。葉酸:
赤血球の生産に関係する。DNAやRNAなどの核酸やたんぱく質の生合成を促進し、細胞の成長と分裂をサポートし、特に妊娠初期には胎児の神経管欠損症のリスクを減少させる重要な役割を果たします。また、心臓病や一部のがんのリスクを減少させる可能性があります。
よもぎがもたらす健康効果
よもぎにはさまざまな効果があるとされていますが以下にまとめます。
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腸内環境の改善
冷え性の改善
悪玉コレステロール減少
貧血の予防
リラックス効果
美容効果
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では一つずつ見ていきましょう!
○腸内環境の改善:
よもぎには不溶性食物繊維が多く含まれており、腸内活動を活発にしてくれます。
○冷え性の改善:
よもぎにはからだを温めてくれる作用があります。お灸、お茶や入浴剤など
○悪玉コレステロールの減少:
よもぎにはクロロフィルが多く含まれておりヘモグロビンを増やす働きをします。 また、βカロテンの抗酸化作用の2つにより悪玉コレステロールを減少してくれます。 LDLコレステロールの減少は生活習慣病の予防にもなります。
○貧血の予防:
よもぎに多く含まれる葉緑素は末梢血管を拡張し、新陳代謝を高め造血に作用してくれます。
○リラックス効果:
よもぎに含まれるシネオールなどはリラックス効果があります。
○美容効果:
皮膚など細胞の再生やよもぎ蒸し入浴剤など身体を温めることで血行を促進させ代謝を亢進させます。
婦人科疾患や肌質改善などが見込めます。
注意事項
妊娠中は食べるのは少量にしてください。なぜなら子宮を収縮させる物質があるため。またごく少数ですが、アレルギーがある方もいるのではじめは少量から試してみましょう
よもぎの作用別効果
お灸 :
熱刺激を加えることにより、免疫力の向上、炎症の改善、ストレスの軽減疼痛の緩和などが示されている。香り :
ヨモギに含まれる香りのもと、シネオールがリラックス効果があるとされています。またよもぎ蒸しのように全身を温めることによって発汗を促し、身体を芯から温めてくれ、冷え性の方にも有効です。内服 :
万能薬草として用いられるほど薬効が高く、栄養価も高い植物です。中医学では艾葉(ガイヨウ)」と呼ばれ、冷えが原因の婦人科疾患や、各種出血などに用いられます。外服 :
切り傷やかゆみを止める薬として古くから用いられてきました。また入浴剤ではからだを温める働きだけではなくアトピー性皮膚炎などにも効果があるとされています。
お灸の効果
熱によるものと香りによるものが大きいです。
熱による効果:
白血球数増加、好酸球減少であったり、コルチゾールを分泌させることにより炎症の改善、ストレス蛋白の産生。TRIPV1受容体が関与する疼痛などに効果的です。
香りによる効果:
もぐさに含まれる精油成分(シネオール、カンファー、βカリオフィレンなど)の香りは鎮痛鎮静作用やリラックス効果があるとされています。
では最後に漢方薬として使われているよもぎについて解説します。
漢方薬としてのよもぎ
[性味] : 苦・辛、温
[帰経] : 肝・脾・腎
[効能]
①散寒除湿・止痛
下焦虚寒による下腹部の冷え痛み・月経不順・月経痛などに用いる
②温経止血
虚寒による不正性器出血・月経過多などに用いる
③その他
湿疹や皮膚掻痒などに用いる
昔からよもぎは体を温めたり、皮膚の疾患などに使われていたんですよね。
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