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アスリートの栄養療法

近年では、競技スポーツにおける栄養管理の重要性が高まっています。

特に重要とされているのは、ミトコンドリア機能の最適化。

リーキーガット(腸内環境の乱れ)、毒素の蓄積、過剰な活性酸素の産生はミトコンドリア機能を低下させ、パフォーマンスに悪影響を及ぼすと言われています。
これらの問題に対し、グルテンフリー、カゼインフリー、シュガーフリー、カフェインフリーの導入や、腸内環境の改善などのデトックスプログラムが有効とされています。

ミトコンドリアの重要性

アスリートのパフォーマンス向上において、細胞内のエネルギー産生工場であるミトコンドリアの機能は特に重要となります。
ミトコンドリアの機能を最適化することで、持久力の向上、回復力の増強、疲労耐性の向上が期待できるといわれています。

ミトコンドリアの機能低下の原因

ミトコンドリアの機能低下は、

疲労感の増大
回復力の低下
免疫機能の低下

などの身体的症状

集中力の低下
モチベーションの低下

といった精神的症状も引き起こします。

特に、リーキーガット(腸内環境の乱れ)、重金属などの毒素の蓄積、過剰な活性酸素の産生が、ミトコンドリア機能を著しく低下させる要因となっているのです。

栄養療法による症状の改善

選手が訴える様々な症状の多くは、適切な栄養療法を行うことによって改善が可能であるものもあります。
例えば、筋肉の硬さや肩こりの訴えはマグネシウム不足に起因することが多いです。
また、集中力の低下や睡眠の質の悪化は、タンパク質やビタミンB群、ミネラルの不足が原因となっていることが多いです。
特にタンパク質は筋肉や内臓、骨、腱の構成だけでなく、神経伝達物質の材料としても大切な栄養素です。
セロトニンやドーパミンといった脳内物質の産生には、タンパク質由来のアミノ酸が不可欠であり、その代謝過程には亜鉛やマグネシウム、ビタミンB群が補酵素として関与しています。
選手の心身のコンディショニングには、単なる栄養素の補給ではなく、それらの代謝経路を考慮した包括的な栄養管理が求められます。

栄養学でみたアスリートのパフォーマンスを低下させる要因

アスリートの競技力を低下させる主な要因として、

・慢性炎症の悪化
・腸内環境の破綻
・毒素の蓄積

があります。
これらは相互に関連していて、悪循環を形成してしまいます。
慢性炎症は免疫機能の低下やエネルギー代謝の異常を引き起こします。
腸内環境の悪化は栄養素の吸収障害や炎症性物質の産生を促進してしまいます。
毒素の蓄積は酸化ストレスを増大させ、細胞機能の低下を招きます。

慢性的な炎症の改善

慢性的な炎症の改善には、グルテンフリー、カゼインフリー、シュガーフリー、カフェインフリーの導入が効果的といわれています。
グルテンは腸管透過性を亢進させ、慢性炎症を惹起する可能性があります。
カゼイン(特にαs1型とA1型β)は炎症性反応を誘発し、消化器系に負担をかけます。
完全なるシュガーフリーは逆に禁忌で、砂糖を選択とし、摂っていい砂糖といけないものの棲み分けが必須です。
過剰な糖質摂取は血糖値の急激な変動を引き起こし、自律神経のバランスを崩し、持っているパフォーマンス力を発揮できないのです。
カフェインも一長一短があり、過剰摂取は常にストレスにさらされているアスリートにとって副腎疲労悪化の原因となるため、摂取の仕方に注意が必要です。

カンジタ対策の食事療法
最近、トップアスリートは特徴的な腸内細菌叢を有することが明らかになっているそうです。
この優れた腸内環境は、短鎖脂肪酸の産生を促進し、腸管の健康維持、免疫機能の調整、エネルギー代謝の最適化に寄与しています。
腸内環境の改善には、カンジダの過剰増殖を抑制することが重要で、具体的な食事療法としては、

・発酵食品の積極的な摂取による有益菌の増加

・食物繊維の適切な摂取による短鎖脂肪酸の産生促進

・糖質の質と量の管理によるカンジダの増殖抑制

・抗真菌作用を持つ食材(ココナッツオイル、にんにく、オレガノ等の香味野菜)の活用

など。


デトックスを促進する食事療法

毒素の排出を促進するために、

・解毒臓器(肝臓、腎臓)をサポートする栄養素の補給

・抗酸化物質の十分な摂取

・ミネラルバランスの最適化による重金属の排出促進

・水溶性食物繊維による毒素の吸着と排出

が必要である。

カンジダの除菌やデトックスに、抗真菌薬やハーブ、抗炎症、抗酸化サプリ、クロレラなどの吸着剤を用いることもあるが、サプリ使用に制限のあるアスリートに関しては食事療法で対処していくことも多いです。

アスリートでなくても栄養を意識することによって日常の疲労や、不調を改善できることもあると思うので参考にしてみてください。


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