12章 財務諸表の作成と公開

問題番号は設例番号に対応。
解答は最後に掲載しています。(全3問)
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《問題》

問1(包括利益)

現行の財務諸表で企業の最終的な利益として位置づけられているのは、損益計算書の末尾に記載されている当期純利益である。しかし、企業会計基準第25号「包括利益の表示に関する会計基準」は、連結財務諸表において、当期純利益とともに包括利益も算定し表示することを指示している。

以下では、簡単な仮設例を用いて、包括利益の計算を行う。
以下に示す、ある企業の前期末と当期末の貸借対照表について考える。有価証券はその他有価証券に該当し、期末時点における貸方の評価差額は取得原価と時価の差額である。単純化のために負債は存在せず、当期中の取引は次の3件のみと仮定し、期末の貸借対照表にはこれらの取引が反映されているものとする。また、税効果も考慮しない。

取引① 有価証券の半分を期首に時価75万円で売却し、現金を得た。
取引② 当期に売上300万円を獲得し、費用225万円を負担して、現金で決済した。
取引③ 期末に保有する有価証券の時価が120万円になった。
[単位:万円]

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評価差額の純資産直入を前提として、損益計算書を作成する場合の仕訳を以下に示す。

A:洗い替え方式の会計処理を適用する、つまり、期首には評価差額の戻し入れを行う場合(H27問題5)

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B:洗い替え方式の会計処理を適用しない、つまり、期首に評価差額の戻し入れを行わない場合(教科書)

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包括利益計算書(A,Bいずれも同様)

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問3(1株あたり利益)

当社(3月末決算)の期首の普通株式数は200株であったが,時価発行増資により6月13日以降は300株に増加した。当期純利益6,860円の計算に際し,6月末の株主総会で承認予定の役員賞与500円が,すでに費用として控除されている。このほか当社には期首時点で,普通株式50株分のストック・オプション(行使価格400円)と,転換社債15,000円額面発行,年利率5%,転換価格250円)が存在したが,期末に至るまで権利行使は行われなかった。期中平均株価は500円であった。実効税率は36%とする。注記する1株当たり利益は次のとおりである。(年365日とする。1株あたり利益は小数第二位まで求めよ。)

①1株当たり当期純利益

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