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サルコペニア(筋力低下)対策のためにやるべきこと
みなさん、こんにちは。
今回もご覧いただきありがとうございます。
今回のテーマは「サルコペニア」についてです。
トレーナーでも治療家でも健康サービスに従事していたら、ほとんどの方が高齢者のトレーニングやリハビリ、治療を担当されたことがあると思います。
この「サルコペニア」について理解することで、適切なケアや予防法を提供することが出来るようになるために解説していこうと思います。
それでは、いってみましょう。
そもそもサルコペニアってなんですか?
まずは「サルコペニア」について知ることから始めましょう。
サルコペニアというのはギリシャ語で「サルコ(Sarco)=筋肉」「ぺニア(Penia)=減少・消失」を組み合わせた造語のことです。
簡単にいうと「加齢によって筋肉量が減少すること」となります。
また、その結果として「パワーや持久力など身体機能の低下」した状態を含めて考える場合もあります。
人間はだいたい30歳前後を境に自然に筋肉が減少し始めて、60歳あたりになると急激に筋肉量が減少していきます。
主な原因としては
①筋肉増加に関与するホルモン分泌の低下
②食事バランスの変化による栄養摂取・吸収の不良
③活動量の低下(外出回数の減少や運動をやめてしまうなど)
などが考えられています。
さらにサルコペニアが進行すると筋力、体力が落ちるから余計に動かなくなってしまい、さらに進行させてしまうという悪循環も見られます。
筋肉は分解・減少と増加を繰り返すのですが、減少側の速度が上回れば当然総量は減っていきます。
これが進行すると、筋肉の減少から日常生活・歩行や姿勢維持が困難となっていき、やがては日常生活に介護が必要になったり、起き上がることが大変になっていく場合もあります。
サルコペニアを防ぐには
年齢を重ねるごとに少しずつ筋肉量は減るわけですが、これを極力抑えて(緩やかにして)あわよくば筋肉量を増加させる方法について考えていきましょう。
①運動
サルコペニアの予防や対策に一番有効なのは「適度な全身運動」になります。
筋肉は使ってあげる(収縮と伸張を繰り返す)ことで増やせるというのは以前に書きました。
筋肥大は年齢問わずに起きます。(年齢によって効果出るスピード等は変わってきます)
なので、高齢者の方の適度な運動はとても重要な予防方法となります。
もちろん個人個人筋肉・体力レベルや運動経験が違いますし、負荷が高すぎるとケガのリスクもありますので、これにしなさいということはできませんが、なるべく全身の筋肉をしっかり使ってあげた方がいいので、公園などで高齢の方がグループで実施されているラジオ体操や太極拳などは負荷も高すぎず、おすすめできると思います。
運動は好きではない場合は散歩や簡単なストレッチでもいいと思います。
とにかく筋肉を自発的に動かすことが重要になります。
※夏の時期は熱中症などの危険性もあるので、そこにも十分な注意を払ってもらう必要はあります。
②食事
筋肉を減らさない・増やすために運動と同等位に大事なのは食事になります。
高齢になると全体的な食事量が減ります。そうなると、摂取できるタンパク質量やその他栄養が不足しやすくなります。
身体に必要な材料が少ないわけですから、どうしても筋肉の合成は少なくなってしまいます。
なので、意識的に食事はしっかりと摂る必要があります。
特に筋肉の材料のメインとなるタンパク質、タンパク質の合成をサポートする炭水化物、ビタミン(特にビタミンB6)の摂取は意識できるといいですね。
サルコペニアが進むと外出しなくなったり、動きたがらなくなることが多いです。そうするとエネルギー使ってないので、お腹もなかなか空かないんですよね。
その結果、本当に小食で済ませてしまう方も見かけます。
もちろん、無理やり詰め込むような食事はよくないので、そのような場合は、なるべく多くの品目を少しずつ食べてもらえるようにお話をしていきましょう。
まとめ
サルコペニアの怖いところは負のループに入ると抜けられないところです。
1.筋肉量が減る
2.筋力や体力が減る=疲れやすくなる
3.移動や運動などを避けたがる=外出しない、タクシーなどに頼る
4.筋肉が使われなくなる&食事の量が減り筋肉が合成されなくなっていく
5.1に戻る=ループ
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そうならないためにも患者さんやそのご家族には動くことの重要性をきちんと伝えて、少しでも生活がよくなるような提案をしてあげましょう。