【フリーBGM】The Witch's Laboratory《魔女の実験室》30分耐久

『黒い森と緑蛇石』あらすじ

集落から離れた黒い森の奥深く、古びた緑蛇石の館に、月明かりがわずかに差し込む魔女の実験室があった。集落の住人たちが恐れるその館は、謎めいた魔法の道具や古代の書物と塵であふれかえっており、その異質な雰囲気は森中を覆いつくすほどであった。

 熱心な魔女は、毎晩呪いを唱えながら、一つ、また一つと怪しげな薬を作っている。丁寧なその動きには一切の無駄がなく、静寂を破るのは、時折、かすかなポーションの泡立つ音と、煙を上げる大きな鍋の煮え滾る音だけだった。

 そこに現れたある一人の男が、この魔女が築き上げた何百年にも渡る沈黙のページを破ることになる。

🪨緑蛇石に関する逸話💎
 緑蛇石《ろくだいし》とは、その名の通り、砕いたり磨くと明るい緑色の蛇の肌のような美しい見た目になる岩石である。磨かれる前は醜く頑丈な鱗や汚れのようなものに包まれており、容易に研磨することができない。一目で宝石だとは気づかれにくく、価値があると考えられるようになったのはごく最近のことである。また、研究者の間でも医薬品としての効果があるということが示唆されている。しかし、その正体や具体的な用法・効用については未だ解明されておらず、一般には広く知られていない。

 古くから、魔法薬品の素材として魔女たちの間で重宝されてきた緑蛇石だが、とある研究者の発表からいち早くこの石の真価に気付いた企業が調査隊を派遣。しかし、黒い森を訪れ緑蛇石の採取を試みた調査隊は、数日後に変わり果てた姿となって帰還したという。事態を深刻にとらえた付近の警察隊が、すぐに立ち入り禁止令を発表した。

 しかし、黒い森に近づく者は後を絶たず、五体満足で帰ってこれた者も1人もいなかった。それが石によるものなのか、魔女たちの仕業なのかは、緑蛇石にしか知り得ないことである。


F.T.K. “The Planetes” No.01:Mars, the Bringer of War
星系M01 管理人:芥川枸櫞 / Actor Gar Queen
© 2024 HOZUKILAB
https://www.youtube.com/@ThePlanetesMythology

必ずや活動費として還元します。或いは珈琲として血肉となります。