1日5分の免疫学④オプソニン化
本「非特異的な貪食作用に続く反応として、特異的な貪食作用が発動するで。抗体によるオプソニン化な」
大林「オプソニン化とは、抗原に抗体などがくっつくことで、食細胞が抗原を取り込みやすくなること……ミートボールに爪楊枝を刺して食べやすくしてあげる感じですかね?」
本「そして、オプソニン化された抗原を食べる主力は好中球!」
本「しれっとB細胞※出したな」※正確には『形質細胞』
大林「抗体ってB細胞※が作るんですよね!別名は免疫グロブリン(immunoglobulin)、略してIg(アイジー)!」
本「それについては次回話そう。今回大事なのはこれ↓↓」
敵侵入
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非特異的な貪食【自然免疫】
↓
オプソニン化による特異的な貪食【適応免疫】
本「本来、免疫とは、一度かかった疫から免れるという現象のことを言う」
大林「最近は、病気に対する抵抗力全般みたいな使われ方ですな」
本「まぁそれでえぇよ。非特異的な防御反応のことを自然免疫と呼ぶで」
大林「まずは自然免疫!次に適応免疫(獲得免疫)!」
本「そして、抗体による特異的な防御反応のことを『体液性免疫』という」
大林「なんかエロいなぁ」
本「感染を繰り返すほどに、強く、敏感になる」
大林「エロいなぁ」
別の本「何故『体液性免疫』と呼ぶのか?それは、最初に抗体が見つかったのは血液内だったから」
大林「花粉症のイメージで鼻水出るからって思ってたわ」
本「特異的な防御は、本来の意味の『免疫』なので、一度感染すると次に備えられる。そして、感染するほど強くなる(ブースター効果)」
大林「ブースター効果……響きが熱くて少年漫画っぽいな!」
《今回のポイント》
敵が侵入したら、まずは非特異的防御反応(自然免疫)!
自然免疫で対応しきれない場合、より強力な特異的防御反応(適応免疫)!
この特異的防御反応こそが「一度かかったら疫を逃れる(免疫がつく)」という本来の意味の「免疫」。
同じ敵と繰り返し戦うと、その敵に対しては強くなる。
次回は、体液性免疫「抗体」について!
*** 蛇 足 ***
『感染するほど強くなる』というのは、免疫細胞の個体が戦いを重ねることで強くなるのではなく、担当細胞の数が増殖によって増える……軍備増強という意味での『強くなる』です。
抗原登場!
↓
その抗原専用の免疫細胞が活性化されて増える
↓
増えた免疫細胞の一部は「次回に備えた待機組」となる
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再び抗原登場!
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その抗原専用の免疫細胞が活性化されて増える一方で、
★待機組もいるので出撃が早い!=強い!
★何度も感染を繰り返していると待機組の数も増えていく。常駐レベルになる。※抗原(敵)が変化する場合、待機組はあまり役に立たない