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1日20分の免疫学(23)リンパ球⑪

本「慢性ウイルス感染では、CD4T細胞IL-21を産生してCD8T細胞機能支持する」
大林「うぉお萌える」
本「リンパ節にいるナイーブCD8T 細胞は、CD4T細胞抗原提示細胞反応部で両細胞から生成されるケモカインに反応して集まり、補助作用をうける」
大林「ひぃぃ!推しがかわいい!呼ばれて馳せ参じて強化されてる!」
本「ヘルパーT細胞が産生するIFN-γは、上皮細胞などにCD8T細胞を集めるケモカインを産生させる
大林「上皮細胞たちにもCD8T細胞を呼ばせるわけね」
本「補助作用をえたCD8T細胞は、TNFα、グランザイム、IFN-γ、IL-2や、生存に関わるレセプターや、血管外遊に関わるケモカインレセプターの発現が高まり、阻止レセプターの表出が低下する」
大林「その阻止レセプターっていうのはアポトーシス阻止かな」

T細胞による細胞傷害の機序について

(1)パーフォリン・グランザイム
大林「パーフォリンで膜に穴開けてグランザイムぶち込んでDNAを破壊するんでしょ」
本「グランザイムにより、傷害を受け クロマチンの濃縮 DNA 分断化 細胞の萎縮が生じる細胞死(アポトーシスが)もたらされる」
大林「細胞質とかの中身をぶちまけない綺麗な死なんだよね」

(2)Fasリガンド分子
本「もう一つの細胞傷害機序は、CD8T細胞がFasリガンド分子を表出して、標的細胞表面のFas分子に作用させることによる」
大林「Fas分子は自殺スイッチだったよね」
本「Fasは細胞内に取り込まれ核傷害を起こす」
大林「え、Fas自体にやばいものが仕込まれてて、細胞表面で他の細胞表面にあるFasリガンドと結合したら発動して細胞内部に入って核を傷害するってこと?!青酸カリ掲げて絶対に押すなよ口に入るからって言ってるようなものじゃん(?)」
本「Fasへの刺激は、細胞表面のGULT(glucose transporter)の表出を低下させてエネルギー源であるグルコースの取り込みが抑えられ、これも細胞死を導く」
大林「兵糧攻め…!」

(3)TNF-α、TNF-β
本「他に、T細胞はTNF-α、TNF-β(リンホトキシン)を産生して標的細胞を傷害する」
大林「標的細胞に密着して殺すやり方以外に飛び道具もあるってことだよね」

人体の物語「Being」第8話より

(4)TRAIL
本「TRAIL (TNF-related apoptosis inducing ligand, CD 253)はFas リガンドと
ともに TNF(tumor necrosis factor)の仲間に属する。T細胞が抗原反応して且つIFNα/βの作用をうけると表出する」
大林「あぁ、前も言ってたねTRAIL。TNFに属するってことは腫瘍関係?」
本「そうだよ、NK細胞・NKT細胞・樹状細胞にも表出する」
大林「マァ!最推しNKT細胞にも?!詳しく教えて!」
本「TRAILレセプター1(death receptor4, DR4)、 TRAILレセプター2(DR5)をもつ細胞にアポトーシス誘導する」
大林「出たよ、デスレセプター!」
本「がん細胞だけがTRAIL によってアポトーシスをおこす」
大林「なんで?」
本「理由としては、がん細胞がアポトーシスに結びつかないTRAIL レセプター3(囮レセプター)を欠くこと、カスパーゼ8を抑制しアポトーシスを防ぐ 機構を複数欠くことなどがある」
大林「囮レセプターなんてあるのか。つまり囮レセプターに結合することでアポトーシスを回避するってことだよね」

CD4T細胞による細胞傷害作用について

本「パーホリン・グランザイムによる細胞傷害作用はCD8T細胞のものが強い
大林「さすがは推し!かっこいい!」
本「が、CD4T細胞Fas分子を介して標的細胞を傷害する」
大林「それそれ!CD4T細胞も細胞傷害する話!詳しく教えて!!!」
本「CD4T細胞のうちIFN-γを産生する(Th1細胞という)の方が(Th2細胞)より傷害作用が強い」
大林「えっ……てことは、推し(Th2)も細胞傷害できるんだ!やっぱり!よっしゃ!妄想に現実が追い付いた!プロット修正せずにこのまま小説書ける!」
本「CD8T細胞で、IFN-γを作るもの(Tc1細胞)は他のもの(Tc2細胞)より Fasを介する細胞傷害性つよい
大林「Tc1とTc2があるってもっと早く教えてほしかった。Tc細胞って呼び方は休み時間の免疫学にも出てきたけど」
本「ちなみに、CD8T細胞の細胞傷害活性は表面の2B4分子で標的細胞上のCD48分子に反応することで増強するよ」
大林「かわいい」

短いけど今回はここまで!
オリジナルサイトのBeing最新話作成も再開しています。

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