１日２０分の免疫学（28）リンパ球⑯
本「CD8α陰性の樹状細胞は、外来性抗原をMHCクラスⅡと共に提示し、Th1細胞を誘導する」
大林「へぇ」
本「間質樹状細胞は、末梢組織の間質や真皮にいる。形質細胞様樹状細胞は10%。古典的樹状細胞には、発現するCD分子の違いでTh 17細胞やTh2細胞、Th1細胞を誘導しやすいものがいる」
大林「樹状細胞にも発現するCD分子の違いで、どのT細胞に分化誘導するかが異なるわけね」
本「古典的樹状細胞で、IL-12をつくりTh1細胞を誘導し、交差抗原提示でCD8T細胞を活性化するのをcDC1と呼ぶ」
※conventional DC：ｃDC
大林「Th1細胞とCD8T細胞ということは、細胞性免疫だな」
本「IL-23,IL-6を産生し、Th17細胞・Th2細胞・Tfh細胞を誘導するのをcDC2とよぶ」
大林「へぇ、Th2だけでなくTh17とTfhもまとめて２なのか」
本「成熟した樹状細胞の寿命はcDCが3〜5日、pDCは2週間ほど」
※plasma- cytoid DC：ｐDC：形質細胞様樹状細胞
大林「cDCとpDCで寿命がけっこう違うね、覚えておくわ」
本「CD16陽性の単球が主にリンパ組織へ移行して樹状細胞に分化する」
大林「ほぉ」
本「マウスのpDCは成熟するとIFN産生が減り、Th2細胞を誘導したり、CD8T細胞にIL-10を産生させて制御T細胞として働かせたりする」
大林「？！なんですって？！CD8T細胞に制御役？？！！マウスだけ？ヒトは？ヒトは？？？？！」
本は答えない。どうも免疫学の教科書は、気を抜くとマウスの説明がずらずらと続くのでヒト細胞の話にいつ戻るのか、改行のない長～い段落で主語を見失う……というかこの本、主語がよく消える！正直、途中で「これどれに対する説明？」が頻発してしんどいぞ！
NK細胞のサブセットについて
大林「NK細胞にも色んな種類があるんだよね」
本「CD56(NCAM)が弱く、CD16(Fcγレセプター)は強く表出しているものが血中NK細胞の90%を占める」
大林「へぇ、残り10%は？」
本「CD56の表出が強く、CD16の表出は弱い又は無しのもの。血中では少ないけどリンパ節では75〜95%だよ」
大林「えっ？！NK細胞ってリンパ節にやっぱりいるんだ？前に読んだ本ではリンパ節にNKもいるっぽい、みたいな書き方だったけど、研究進んだんだね！」
本「ちなみに、後者から前者に成熟するとされている」
大林「ということは、CD56とCD16の強弱の差は、種類じゃなくて過程ってこと？」
本「前者は細胞傷害、後者はIFNγ産生をメインにしているみたいだよ」
大林「ということは、未熟なうちは自ら攻撃GOGO！で、成熟したらマクロファージ活性化とか他の細胞との連携をするってことかな」
本「IFN-γはマクロファージだけでなく、細胞傷害性T細胞（CD8T細胞；CTL）やIFN-γをつくるNK細胞自身、他のNK 細胞の細胞害活性を高める」
大林「えっ、そこでCD8T細胞が登場するとは思ってなかった。流石はブラザー！」
本「後者のNK細胞はケモカインレセプターCCR7と接着分子Lセレクチンを表出している」
大林「ということは、リンパ組織に遊走する…」
本「だけでなく、リンパ組織に定着する性質も有することを示す」
大林「思ったよりNK細胞が他の細胞と共同戦線？！やだ萌える」
本「後者は、IL-18によって誘導される」
大林「前者は？」
本「後者は高親和性IL-2レセプターをもつが、前者は中間親和性のILー2レセプターしかなく、IL-2があってもあまり増殖しないし、サイトカインの産生も少ない」
大林「前者から後者に成熟するからそんなもんか〜」
本「しかし細胞傷害活性は強い」
大林「前者は細胞傷害するって言ってたね」
本「後者もIL- 2,12の作用で細胞傷害するよ」
大林「するんかい！」
本「前者はFcγレセプターをもつのでADCC作用もあると考えられる。炎症部への集積に適したケモカインレセプターも持つ」
※抗体依存性細胞傷害（Antibody-dependent cellular cytotoxicity; ADCC）
大林「なるほど。この2分類だけ？子宮NK細胞は？」
本「他の分類もあるよ。たとえば、CD56hiCD62L陽性CD94hiCD57陰性のNK細胞と、CD56hiCD62L陽性CD94loCD 57 陰性(細胞傷害作用あり)のNK細胞と、CD56loCD62L陽性CD94loCD 57陰性(細胞傷害作用あり)のNK細胞にも分類できる」
大林「長い長い長い！」
本「子宮にはVEGFなどの血管新生サイトカインを産生するNK細胞が存在するよ」
大林「おっ！子宮NK細胞きたー！詳しく！」
本「20章でね」
大林「今まだ5章なんですけど？！」
短いけど今回はここまで！
体調管理に必死で……