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1日20分の免疫学(20)リンパ球⑧

胸腺について

本「胸腺は、小型のリンパ球が密集している皮質と、比較的大型のリンパ球が疎に存在する髄質とに分けられる」
大林「ほぅ。胸腺にいるリンパ球と言えばほぼT細胞だよね。NKT細胞も胸腺由来が少々いるらしいけど」

本「胸腺上皮細胞が形成する網目構造に未熟リンパ球が侵入してきて増殖する」
大林「増殖もするのか。成熟しながら進んでいくんだよね」
本「皮質から髄質へ移動する。髄質には上皮細胞由来とされるHassal小体がある」
大林「なんやそれ」
Wiki「胸腺小体(Hassall's body)とは胸腺髄質において胸腺細網細胞(胸腺上皮細胞)が同心円状に配列した領域。 ハッサル小体とも呼ばれる。 胸腺小体は30~100μm程度の大きさであり、中心には1個あるいは数個の変性度の高い大型細胞が位置する」

本「胸腺の皮質と髄質との境界部マクロファージ樹状細胞らが多くいる。樹状細胞の一種である相互連結性嵌入細胞/相互連結細胞interdigitating cellは髄質にのみ存在する」
大林「なんだその樹状細胞」
PDF「樹状細胞(Dendritic Cell)は 樹枝状の形態を呈する細胞の総称であり、特異なaccessory cellと して免疫反応に関与 していると考えられている。3種の異なった概念の細胞群が含まれる」

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jslrt1961/34/2/34_2_97/_pdf

PDF「樹状細胞は血液にのって運ばれ、体の中のあらゆる組織や器官に 分布しています。同定された場所によって異なった名前がつけられています。例えば、表皮の細胞はランゲルハンス細胞、胸腺の髄質やリンパ節の副皮質の細胞は相互連結性嵌入細胞、輸入リンパ管内の細胞はベール 細胞、筋肉内の細胞は間質細胞といった具合です」
大林「えっ、マクロファージと同じパターン!?まぁ同じ単球だもんな」

https://files.jsi-men-eki.org/general/q_a/inaba.pdf

本「未熟リンパ球上皮細胞・マクロファージ・樹状細胞の生成する物質の作用をうけて分化成熟していくものと考えられる」
大林「マクロファージは失格になったT細胞の始末もするんだよね」

本「そして胸腺を離れた成熟T細胞は、血流中末梢リンパ組織に分布する」
大林「かわいい」

リンパ節について

本「リンパ節は、被膜下の皮質、傍皮質、髄質からなる。皮質は主としてB細胞で構成される」
大林「隣接する傍皮質にT細胞がいるんだよね!」
本「そこを胸腺依存部と言うよ」
大林「なにそれかわいい、OB会みたい」

本「皮質にはリンパ濾胞がある」
大林「胚中心って呼ばれる球状の構造だよね」
本「胚中心とその周辺のリンパ球集団を合わせて二次リンパ濾胞という」

大林「T細胞のいる場所について詳しく教えてよ」
本「傍皮質には、相互連結細胞 interdigitating cell(樹状細胞)が存在する」
大林「なんやそれ」
本「抗原ペプチドをもって流入リンパ管からリンパ節内に入ってきて変化した樹状細胞」
大林「あぁ~、あれね!貪食能を捨てて抗原提示に特化した細胞に変化しながらリンパ節に移動してくるんだよね」
Wiki「リンパ節に入ると樹状細胞はケモカイン CCL18英語版) を分泌してT細胞を誘引するとともに、接着分子 DC-SIGN英語版) によりT細胞と強く結合するようになる。この状態における成熟樹状細胞は、その形態から相互連結細網細胞 (interdigitating reticular cell) とも呼ばれる」

本「リンパ節常在している樹状細胞もいる。輸入リンパ管から流入してきた抗原を捕え抗原提示する」
大林「常在もいたのか、知らなかった」

本「髄質には形質細胞が多くみられる」
大林「抗体産生細胞だね」

本「リンパ節にいる一部のリンパ球は輸入リンパ管から侵入した血中由来で、皮質近くの傍皮質部で後毛細管細静脈(高内皮細静脈)から血管外に遊出リンパ節内に侵入する」
大林「遊出って言い方かわいい」

本「リンパ球は、髄洞を経て輸出リンパ管からリンパ節を出ていく。抗体髄洞を経て流出リンパ管、胸管そして血流へと運ばれる」
大林「流出リンパ管と輸出リンパ管の違いは?単なる誤植?」

本は答えない!!!

本「内腔表面一層の腸管上皮細胞から成る。その内側にはPeyer板、孤立リンパ小節などのリンパ組織が存在する」

パイエル板について

大林「パイエル板きたー!詳しくお願いします!」
本「Peyer板(Peyer patch )は主に回腸遠位部約250個存在する。B細胞の多いリンパ濾胞と、それにはさまれるように存在するT細胞の多い傍濾胞域で構成される」
大林「ふむふむ!回腸遠位部ってなに?どこ?」
WEB「牛の食べてはいけない部位!特定危険部位!BSE!」
大林「人体のことを聞いてるんだよ!WEBがまったく立たねぇ!!!」
医学書院医学大辞典「回腸:腸間膜小腸の終わりの3/5」
大林「遠位部までは載ってないか…」

本「T細胞領域の高内皮細静脈からが血中の免疫細胞が遊出してくる。円蓋域domeは、濾胞とその上にある腸管上皮(濾胞関連上皮細胞 follicle associated epithelium: FAE(胚細胞))から成り、T細胞・B細胞・形質細胞・樹状細胞などが存在する。腸管上皮細胞の一部はМ細胞membranous epithelial cell; microfold cellと呼ばれる特別な細胞が存在する」
大林「M細胞出た〜!物質を外から取り込んで細胞内を通過させて内側に通す細胞だよね」
本「М細胞細胞質の一部が伸びてひとつの洞を形成し、その中にリンパ球や樹状細胞、マクロファージが入れるようになっている」
大林「え、どんだけ伸びるんだよ細胞質」

短いけど今回はここまで!
オリジナルサイトのBeing最新話作成も再開しています。

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