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クウガとダブル、拳と涙
・『仮面ライダークウガ』48話 vsダグバ戦
・『仮面ライダーダブル』48話 vsユートピア戦
この二つのシーンをふと重ねる時がある。
クウガとダブルには、以下のような共通点がある。
・平成一期と平成二期、それぞれの第1作
・48話で事実上の最終決戦を迎え、ライダー(五代/フィリップ)が相棒(一条/翔太郎)の前から姿を消す
・49話(最終回)で、消えたライダーの生存が判明する
しかし、これらは本題ではない。
重要なのは48話で戦いが始まる瞬間、
両者が拳を交える1カット目の構図。
そして、その後の戦いの成り行きだ。
クウガ48話では、クウガとダグバが同時に殴りかかり、クロスカウンターでお互いに被弾する。両者の力は拮抗したまま、血で血を洗う凄惨な泥仕合を続け、最終的に共倒れする。
ダブル48話では、ダブルとユートピアが同時に殴りかかるが、ダブルの拳が上回ってユートピアのみが被弾する。フィリップ最期の想いが籠もったダブルはユートピアを終始圧倒し、完勝を果たす。
両者の最終決戦は似た構図から始まりながらも、
全く逆の経過を辿っているのだ。
10年の時を超えて、ついにヒーローの拳が届いた。
そんな画を思わず紡いでしまう。
クウガからダブルへ。
一人で独りの仮面ライダーから、
二人で一人の仮面ライダーへ。
仮面の下で、 相棒にも見せず一人泣いていたクウガ。
仮面の下で、 相棒との別れに二人泣き合ったダブル。
「英雄は一人だけでいい」という孤独の中で、
自分を殺しながら巨悪と殺し合ったクウガ。
「英雄が一人だけになる」という孤独な別れを
最大の力に変えて、巨悪を圧倒したダブル。
涙が、拳が、今度こそ、届いた。
ヒーローは、もう一人ではない。
これは恐らく公式が意図した繋がりではないだろう。私が頭の中で勝手に紐付けたナラティブにすぎない。
だが、むしろ完全な偶然だからこそ、この上ないカタルシスを覚える。覚えざるを得ない。
クウガとダブルの数奇な繋がりは、いつまでも私の心を捉えて離さないのだ。