焼肉食べ放題をルーティン化した話。
焼肉食べ放題という文字列には力がある。その力に魅入られ、一つの「作法」を編み出した、と自分では思っている。このルーティンは基本的にどこのお店でも応用が効くものだと思うので、心置きなく焼肉を食べきりたい、という場合は参考にしてみてほしい。いや、参考にするほどのものでもないか。
仕事のストレスがたまると、どうしても過食気味になってしまう。コンビニでヤケ食いし、ラーメンセットは麺とライス大盛り。自炊なんてしようものなら、白米5合が胃の中に消えていった。
そんな中に焼肉食べ放題が食い込んでくるのは必然であり、最初に行ったのは…牛角だったはずだ。目の前には自分専用の七輪。他人の目を気にすることなく、自分と肉の1対1(この言い回しが好きなようで)。はじめは正直もったいない食べ方をしたこともあった。食べ放題でお残しはご法度。それでも大丈夫だろう、と軽い気持ちで注文した肉たちには深い後悔がある。次こそは少なめに…とは思うのだが、後日また空腹の状態でメニューを目にすると、自分を抑えることができなかった。
そのころはせいぜい3か月に1回、くらいだっただろうか。勇んで挑み、情けなく逃げ帰る。このままではいけない、と思っていた訳ではないが、転職をして職場にも慣れたころ、発見してしまった。あの「すたみな太郎」を。
すたみな太郎をご存じの方も多いだろうが、一応説明をしておく。なお、個人的な偏見を含んでいる場合があるので、その点だけご注意を。
「食のアミューズメントパーク」として中高生の心と胃袋をガッシリと掴む、低価格帯食べ放題店。焼肉、寿司、ドリンクバーの3種の神器に加え、豊富な期間限定メニュー。私の学生時代に比べると幾分値上がりされているが、それでもまだお小遣いで十分行ける範囲である。
さて、そんな「なんでもできる」素敵なお店に好奇心旺盛な学生たちが行くとどうなるのか。そう、「独自メニューの開発」である。ドリンクバーのオリジナルカクテルに始まり、寿司のネタを鉄板で焼くのはもはや定番、焼肉に綿菓子で簡易すき焼き風なんてのもできる。度を超すとそれはそれで別の楽しさになってしまうので、そのへんはまた次回に(書くのか?)しようか。
すたみな太郎が車で10分の場所にある。最初はまぁ、懐かしいからちょっと行ってみるかな、くらいだった。正直肉の質は高くないし、いろいろ食べれるかな、くらいで。そうしたら予想以上に楽しく、なんというか、非常にコスパが良かったのだ。お腹いっぱい食べて2000円くらい。下手したら自炊するより安い。それに味を占め、月1の頻度から徐々にエスカレートし、遂には週1の頻度で行くようになってしまった。今回はその時に編み出したルーティンを語っていこうと思う。もちろんこのルーティンは他店でも応用することができるので、心置きなく
まず、焼肉のタレなのだが、最低でも3種類は用意したい。基本的にはレモン汁を使うのが最後までおいしく食べれるコツなのだが、やはり肉の種類によっては絶対に外せない組み合わせがある。だって、焼き立てカルビには甘っ辛い焼肉のタレをつけて、ご飯にバウンドさせたいでしょう?レモン汁、焼肉のタレ、それとコチュジャンあたりがあると安心だ。もちろん他にも種類があるのであれば、迷わずそれを使うべきだ。何につけようかな、と迷ったのであればレモンや大根おろしなど、さっぱりしたものを使うことをお勧めする。
次に肝心の肉の順番なのだが、ここは寿司屋理論に焼肉のシステムを取り入れた。本来脂肪の少ない部位、例えばタンや鶏からロースから入るのが胃への負担がすくないのだが、脂身のない肉では序盤の火力が上がらない。豚バラを始めとした格安焼肉ならではの白い部分を豪快に焼き、野菜と一緒に頬張ってしまえばそれはもうカロリーゼロ。焼き網には適度に油の膜が張り、次の肉が焼きやすくなる。ここからは脂肪の少ない順に焼いていけばスルスルと胃の中に入っていく。メニューに塩とタレがあるのであれば、なるべく塩で頼むと焼き網が汚れづらい。焼き網が汚れなければ、店員さんを呼んで網を変える時間的ロスが減る。スポーツなどにも言えるが、自分のペースを確立させることが大事なのだ。単純なことだが、私はこの方法で食べるようになってから全ての食べ放題で完食を続けている。
基本的に焼肉を食べ放題で食べる、となれば基本メニューの制覇は当然であるし、限定メニューを外す選択肢は無い。冷麺なども積極的に食べていきたいことを考慮すると、平均して30品くらいは食べるだろうか。一人で焼肉30品、これはもう一種の競技を行うメンタルで挑む必要がある。飲み物はなんでもいい。ウーロン茶が良いと思うのならば迷わずそれを選ぶべきだし、炭酸が胃を圧迫することに抵抗がないのであれば、コーラを飲んでも良いと思う。ただ一つアドバイスをするのであれば、飲むのは1杯に留めるべきだ。あくまで飲み物は口の中を軽く流すだけ。飲み物の力で肉を飲み込もうとすると、確実に後半に響く。私はファンタを氷多めで、飲むときはストローでひと吸い。水分は確実に胃に溜まっていくのだ。ここを制御するのが難しいが、意識する価値は十分にある。
と、ここまで書いてみたが、「じゃあ焼肉食べに行こう!」と思ってしまった方がいたら、それはあまりお勧めしない。ルーティン化なんて論外だ。なぜなら、食べ放題に行く習慣がつくと間違いなく体に余分な脂肪がつくし、ストレスが溜まっているのであれば健全にスポーツで汗を流し、風呂に入って冷たい麦茶でも飲む方が1000倍体にも心にも良い。noteでもいいから!結構良いストレス解消になるから、これ!
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