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長野のすんき漬けから見る、保存食づくりの工夫
発酵食品に限らず、保存食をつくるためには
・温度を下げる
・水分をなくす
・酸素を抜く
・酸性度を上げる
この、4つの点が挙げられます。
冷蔵庫の無かった自体に食材を長持ちさせ、何とか食いつなぐためには温度を下げることもできません。
酸素を抜くという物理的な技術もない。
そうすると、できるのは「水分をなくす」と「酸性度を上げる」この2つになります。
水分をなくすこと。
これは、干物や塩漬け、砂糖漬けで可能です。
魚の干物や生ハム、フルーツの砂糖漬けなど、様々な食品があります。
では、酸性度を上げるのは?
ここで、発酵食品の出番です!
お酢で漬ける、ピクルスや漬物など、食材を酸性にすることで腐敗菌が繁殖しづらくなり、発酵菌が活発に。
保存性の高い食品をつくることができます。
ただ、酸性度を上げるだけでは十分ではなかったりおいしくなかったりするため、塩を加えるケースがほとんど。
そんな中、長野県に驚くべき漬物があったのです!
その名もすんき漬け。
なんと、塩を一切使わない唯一とも言える漬物です。
すんき漬けは京都のすぐき漬けに由来するそうですが、その違いは塩を使うかどうか。
すぐき漬けは塩を使うのに対して、すんき漬けは一切塩を使わないのが特徴です。
では、なぜ塩を使わない製法になったのでしょうか。
諸説あるかとは思いますが、地方の食品の成り立ちにはその土地の事情が関連していると思います。
すんき漬けが生まれた長野県は海のない、山のくに。
おのずと、塩がとっても貴重な食材になります。
そのため、いくら保存したいからといった大量の塩を使うことは庶民ではできるはずがありません。
そこで、先人たちは知恵を絞りに絞り、経験を重ね今のすんき漬けがあります。
ちなみに、乳酸発酵でつくるすんき漬けは強いすっぱさが特徴。
でも、つくり手によってすっぱさが異なってくるという不思議な言い伝えもあるそうです。
それは、その方がもつ菌の層の違いだと思われますが、古くから漬物をつくる際にすっぱくならない人は漬物づくりには参加しないようにしたそうです。
すっぱさが命のすんき漬け。
様々な工夫が重ねられて今に至ります。
本当に、顔がうめぼしになるほど酸っぱいので、口に合わないかもしれませんが、長野県に行かれる際はぜひ味わっていただきたいものですね。
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