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マイナンバーの用語解説【元担当者が雑にまとめた】


 皆さんこんにちは。イ キ ナ リ デ ス ガ ー (楽天カードマンの言い方)、昨今のマイナンバーに関する用語の誤用を憂う元マイナンバー担当の私が、マイナンバー関係の用語を雑にまとめましたのでお納めください。

 技術的・法的なものはなるべく省き、雑談レベルで使える内容に仕上げたつもりですので、マイナンバーの話題が出たら、これを読んで知ったかぶりしてみてくださいね。

 なお、本記事は、前に出したこの記事たちのアップデート版です。詳しくお知りになりたい方はこちらもあわせてお楽しみください。技術的・法的な説明も詰め込んでいますから。




マイナンバーとは?

 「個人番号」の愛称のことで、住民1人1人を識別するための12桁の番号です。学籍番号とか、社員IDとかと目的は同じです。発行元が日本国で、同じ番号の人が確実にいないという点が特徴です。この特徴ゆえに、

名前+生年月日+住所(+性別) = 個人番号

という等式が成り立ちます。この等式を生かし、各種手続きの効率化を図るのが、マイナンバーそれ自体の目的です。

 ただし、マイナンバーを使える人・使える事務は、国の法律または自治体の条例で規定されているものに限られるので、一般人がマイナンバーを活用して事務の効率化を図ることはできません。会社も然りで、従業員から収集したマイナンバーを活用しているわけではなく、税務署などに取りまとめて提出しているだけにすぎません。



通知カードとは?

総務省HPから

名前+生年月日+住所(+性別) = 個人番号

等式が成り立っていることを通知する書類。「この名前・生年月日…の人には、このマイナンバーが割り振られているんだな。」と相手にわからせることができます。ただし、通知カードでは等式の成立しか証明できません。なので、通知カードを持ってきている人が本人かどうかを証明するためには別途本人確認が必要です

 なお、令和6年時点では通知カードの新規・再発行はやっていないため、引っ越しや結婚などで通知カードの等式が成立しなくなった場合、その通知カードはただの紙切れになります。通知カードをなくした場合、マイナンバー入り住民票マイナンバーカードを取得して等式を示します。



マイナンバーカードとは?

総務省のHPから

 雑に言うと、マイナンバーが載っている顔写真入りの身分証です。運転免許証にも免許証番号と顔写真があるし、パスポートにも旅券番号と顔写真がある、同じですね。顔写真が入っているので、免許証とかと同じく目の前にいる人がカードの持ち主(=本人)だと確認することができます

 しかも、カード内で

名前+生年月日+住所(+性別) = 個人番号 = 顔写真

 という等式が成立しているので、同時に「この名前・生年月日…の人には、このマイナンバーが割り振られているんだな。」と証明が可能。

 一見凄そうなカードですが、やっていることをよくよく見ると、免許証やパスポートと変わりないことがわかります。マイナンバーカードは突き詰めると単なる身分証なのです。ですが、マイナンバーカードに搭載可能な電子証明書という存在が、マイナンバー界隈をややこしくしてしまっています。



電子証明書とは?

 これまで出てきた、マイナンバー/通知カード/マイナンバーカードとはまったく別の概念であると念頭に置いてください。

 雑にいうと、インターネット上で本人であることを証明できる機能のことで、電子(=インターネット)+証明書(=身分証)といえます。ネットは便利な反面、顔が見えない分なりすましのリスクがあります。ですが、電子証明書があれば、インターネット上で本人だと証明できるようになります。そうすれば、行政手続きなど、これまで対面でしかできなかったような手続きをインターネット上でもできるようになるという理屈です。

 確定申告(e-tax)、医療保険の資格確認(マイナ保険証)、ワクチン接種証明書のスマホ表示などは、電子証明書でできるようになったことの最たる例ですね。あとは、自分の処方歴課税情報をインターネット上で閲覧できるようになったのも電子証明書で本人確認ができるようになったからです。

 マイナンバー/通知カードは全然関係がないでしょ?ただ、マイナンバーカードだけがちょっとだけ関係していて、電子証明書はマイナンバーカードに搭載されるものなのです。行政が本人確認して渡したマイナンバーカードなら、ネット上で本人だと証明できる機能を載せていいだろうという思想によって。

 マイナンバーカードがハードウェアで、電子証明書がソフトウェアかな。マイナンバーカードと電子証明書の関係は、スマホとアプリの関係に近い。もっといえば、電子証明書の一部機能は、申請さえすればカードをかざすこと自体不要にできるので、本当にスマホとアプリの関係です。ちなみにその申請は、電子証明書を使ってインターネット上でやります。



住基カードとは?【おまけ】

J-LISのHPから

 二千円札と並んで、国家レベルでスベったネタ施策のこと。電子証明書を普及させる目的で始めたカードなんですけど、誰があれを見て気づけるねんって話です。「国民は賢いし興味関心をもっている」と甘く見積もりすぎた頭の良すぎる官僚が生み出してしまったモンスターです。

 ちなみに、住基カードはマイナンバーカードに発展吸収されたため、発行されることはもうありません。持っている人は大事に取っておきましょう。将来プレミア価格がつくと思います。



まとめと今後

 まとめると・・・

・マイナンバー:名前+生年月日+住所(+性別) = 個人番号 の等式 

・通知カード :上記の等式を証明

・マイナカード:マイナンバーが載った身分証明書

・電子証明書 :マイナカードに載ったインターネット上の身分証明機能

となります。わかりやすいですね。これだけ理解しておけば、マイナンバー関連はよくわかっているほうに分類されると思います。それと、ニュースの報道がいかにいい加減であるか、ネットの記事がいかに誤った知識で書かれているかがわかるようになります。よくある間違いは、マイナンバーとマイナンバーカードを間違えているものマイナンバーと電子証明書を間違えているものですね。ここまで読んできた皆さんなら、見極められるはず。


 この記事をベースとして、これからは、マイナンバー関連のよくある誤解を煽り、陰謀論を論破する悪意全開の記事を気まぐれに出す予定です。



最後に

 総務省の皆さん。案件お待ちしております。住基カード?大変素晴らしい施策でしたよね。

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