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マイナンバー制度への理解不足を非難してはいけない



1.ガラっと変わった窓口事情

(1)悪夢のような2月末

 以前の記事にも書いたとおり、2月末の窓口は手続き希望者でごった返しました。結局、うちの自治体でも5時間程度の待ちが発生してしまい、定時のチャイムが鳴った時点でもまだ100~150件待ち、窓口が閉まったのは21時ごろだったと聞いています。皆様には大変ご迷惑をおかけしました。

 しかし、ここで問題だったのは2月末までに手続きをしないといけない人(カードの新規申請)以外の人たちが「勘違い」して窓口に押しかけたことです。マイナポイントは5月末までにカードを受け取って申し込めば問題ないにも関わらず、全部2月末までだと誤認しておられた方が多かったです。

 ということで、月(27日),火(28日)は、米騒動のような窓口であったことをご報告します。


(2)スッカスカの3月頭

 3月に入ってから一転して客が激減しました。

 マイナポイントの対象から外れてしまうので、新規申請者の激減は見込んでいたのですが、なんと他の手続き希望者まで軒並み激減しました。とくにマイナポイント窓口が酷くて、前日までは散々混み散らかしていたのに3月に入って客が1人もいない時間帯が多くあるような有様です。

 どうやら「マイナポイントの対象となるカードの申請が2月末まで」を「マイナポイントが2月末まで」と勘違いされている方が多いようですね。 私の自治体に限らず、多くの自治体で同様の現象が起こっていると思われますので、カードの受け取りやマイナポイントの相談は今のうちに行かれてください。4月頃になったらさすがに「勘違い」だと気づく人が増えて、また窓口がごった返すと思いますから。

 とにかく月・火と水~金で同じ部署とは思えないくらいの変化がありました。本当にわかりやすい。



2.無関心な情報との向き合い方

(1)人がいかに無知であるか

 今回の騒動から、いかに国民がマイナンバー制度に興味を示していないか、いかに情報を正しく理解していないかが見て取れました。

 あれほどテレビで報道していたのに、あれほど広報誌などで周知していたのに、あれほど電話で説明対応していたのに、おおよそ響いているようには見えませんでした。

 2月末と5月末の期限の違いなんて調べりゃ1分で理解できるくらいの初歩的な話ですからね。それすら理解されていない現状に悲しくなりました。


(2)無関心な情報にはそら疎いわ

 と、まぁ偉そうに語ってはいますが、それは私がマイナンバー制度を仕事にしており、週5回:1日8時間その情報に触れているからこそ言えることであるのは理解しているつもりです。

 住民の多くがそう(マイナンバー制度が仕事)ではなく、興味関心もないのであれば、担当者からみれば初歩中の初歩の勘違いをしていても納得できます。だって、その人たちにとっては、マイナンバーカードに関する情報は必要のないものであり、取り入れる余裕がないということですから。


 逆の立場で考えてみると、私はファッションには全然興味がありません。ファッション関する情報を取り入れる余裕もありません(他のことのほうが興味があるので)。だから、アパレル関係の人に質問をしたら、後々身内でネタにされるくらいの的外れな質問をするかもしれません。つまりそういうことだと思います。

 人は無関心な情報には疎いもんです。


(3)調べる術を身につけよ

 「無関心な情報には疎いもん」という理解はしているものの、「疎いからしょうがないじゃないか」と居直ってしまうのは文明人としていかがなものかと私は思っています。だから、私自身もそうならないように気をつけているつもりです。

 ではここで、興味のない分野に対する私なりの向き合い方を書こうと思います。私の基本戦術は情報を調べる方法を身に着けておくことです。というのも、すべての分野について最低限の知識を得るというのは現実的ではありませんから、源流にさかのぼって「最低限の知識を得る方法」を勉強しました。おもに大学時代に。

 そのおかげで、自分が興味のない分野や明るくない分野であっても最低限の情報は自力でかき集めることができており、最低限の判断はできていると思っています。多分できています、多分。


3.国の施策は死活問題の情報

 そんなわけで、普段は関心のない情報であっても、必要があればいつでも調べることができるようにすることは大切だと私は思っています。とくに、日本国で生活している以上、政府の方針は自分の生活に大きな影響を与えてきます。そういった情報を素早くキャッチして理解し、批判すべきところは批判するという力を身につけておかないと生活は立ち行かなくなってしまうような気がしています。

 そういう意味では、自分の生活に大きな影響を与えがちである国や自治体の情報に近い立場(公務員)で居させてもらっているのはラッキーだと思っています。働いて給料をもらいながら生活に必要な情報を収集できていますからね。

 担当として1年半向き合ったからこそ、マイナンバーカードやマイナンバー制度に対して肯定的な立場ですし、取得するべきだという考えを持っていますけど、一般の人からすれば国が何かわからんことをしているという見え方になるのも仕方ないのかなーと思っています。

 国の啓発不足ももちろんあるでしょうけど、国民側も情報収集力を身につけていくべきでしょう。情報は渡す側と受け取る側の両方が歩み寄ってこそ円滑に受け渡しができるのではないかと思っています。

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