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市役所職員が抱えるガチャ要素3つ


とある上司の口癖

 私が関わっている上司のなかで、「なんかズルいよね」とか、「どうして私(たち)だけ…」と頻繁に口にする方がおられます。何かの噂を聞けば「ズルい」、残業が続けば「どうして…」という感じ。

 私自身、そういった感情はほとんどわかりませんが、本人の努力だけではどうしようもできないような運要素があるというのは納得です。改めて自分のキャリアを振り返ってみると、「市役所職員って運要素(ガチャ)多くね?」と思ったので、今回は、市役所職員が抱えるガチャ要素を解説しようと思います。

 ちなみに、私から見れば件の上司はだいぶ恵まれていて、ずいぶん幸せな働き方だと見受けられるのですが、それはまた別の話ですね。



市役所内にあるガチャ要素

(1)配属ガチャ

 一般的に「配属ガチャ」とは、第一配属に対する言葉ですが、市役所職員の場合、キャリアを通して配属ガチャを抱え続けることになります。というのも、職員は基本2~5年くらいで異動になります。その異動先も完全にランダムで、私のようにマイナンバー(総務省系)から生活保護(厚労省系)という転職レベルの異動をくらうことも珍しくありません。

 異動すれば当然仕事は覚えなおしですし、異動先の業務に適性がなければ簡単に心身を病んでしまいます逆に、運よく適性のある部署へ行けたとしても、数年経てばどこかへ連れていかれます


 また、異動に伴い、業務量が激変することも珍しくありません。財務部局や政策部局に飛ばされれば過労死水準を簡単に超える一方、出先機関に配属されると毎日を持て余す可能性が広がります。


 これだけガチャ要素強めな配属なのに、本人の出世にも関係している気がしていて、たまたま配属された部署(実際は人事側の意図が入っていますが…)によって、その後のキャリア形成が変わります。向いていない職場へ配属されて、キャリア(人生)を棒に振ってしまうことも…。

 加えて、仕事が評価される(目立つ)かどうかもその配属が関係している気がします。たとえば、特命プロジェクト的な部署だったら、ただ所属しているだけでも数年たてば表彰されるでしょう。一方、大部屋部署(窓口部署や福祉系)の場合、そこでトップの成績を収めるか、死ぬほど残業するか、何かでイノベーションを起こさない限りは目立たず、日の目を見ることはない…。

 まぁ、表彰レベルの能力がある人だから特命プロジェクトを任されている可能性はあって、これはニワトリタマゴかもしれませんが…。

 このように、仕事の種類・業務量・キャリア形成などに多くの運要素がつきまとってくるので、上手に付き合わねばなりません。

 ちなみに私は、配属されるところすべてが謎の激務部署ばかりで、将来を期待されているのか暗に肩を叩かれているかさっぱりわかりません。結構良い経験させてもらっているから感謝はしていますけどね。もうええわってとこばかり。



(2)同僚ガチャ

 自分自身の配属もそうですけど、所属している同僚の良し悪しも運要素が強めです。市役所では、基本的に毎年1人は異動するので、同じ課でも数年後には全然別のチームになっていることがよくあります。

 配属当初は聖人ばかりだったとしても、数年後には廃棄物処理場と化している可能性も。そもそも、モンスター(または神)職員ひとりが動くだけで環境が大きく変わる可能性すらあります。

 その辺のことはこの記事でも述べましたね。

 

 なかでも運要素がキツいのは、会計年度任用職員です。

 私が会計年度任用職員に対して歪みきった感情をもっていることはこちらの記事を見てもらうとして・・・。歪んでいる前提に立ったとしても、、、

 採用試験を課していない分、能力や性格のバラつきが正規職員より大きいため、運要素が強くなります(ここでいう能力や性格とは、職務遂行上の、という意味で、人格や存在を否定するものではありません)。

 それに、異動を前提としない採用が多いため、配置換えの希望や予算的な事情がない限り翌年度も同僚です。神職員も動かないという良い面もありますけど、歴が長くなると仕事がその人についてブラック・ボックス化してしまい、マネジメントに苦戦する可能性があります。異動を前提としていない以上、業務属人化のリスクは正規職員よりも高めです。


 とはいえ、正規職員・会計年度任用職員問わず、ほとんどの方は私なんかより立派な人で、仕事もしっかりされる良い方ですという前提のもとお話しています。あくまでも、ごく一部の困った同僚を引くリスクの話です。

 ちなみに私は、私のことをリスク側の人材だと思います。



(3)前任者ガチャ

 正規職員は異動が多い。そして、異動が多いということは、引継ぎを何度も経験することになります。この引継ぎが楽になるか地獄になるかも運要素がかなり強いです。おそらく、これが一番ヤバイガチャかもしれません。

 基本的には、前任者が優秀であればあるほど引継ぎは楽な傾向があって、前任者がゴミだった場合は漏れなく地獄を見ます。ここでいう優秀は、人格を含めていますので、仕事ができても人格が終わっている場合はゴミです。

 それと、前任者が近くにいればいるほど引継ぎがしやすいため、楽になる傾向があります。ただし、ゴミが近くにいても臭うだけなので、距離にかかわらず地獄です。

 なお、超優秀だった前任者が退職で職場からいなくなっている場合、ゴミからの引継ぎ以上に地獄を見ます。着任して半年くらいは死にます。

 このように、、引継ぎの難易度は前任者の能力(+人格)がどの程度か、前任者が今どこにいるのかという2軸によって難易度が決まると思います。

 図にするとこんな感じ。

 一応言っておくと、こんな図を作っている時点で私はゴミです。後任者は漏れなく地獄をみることでしょう。



結論:世の中運ゲー

 こうやって整理してみると、世の中は運要素(不確定要素)に大きな影響を受けているんだなぁと改めて感じました。自分の力だけではどうしようもできない部分はたしかにある。

 ですが、その不確定要素を恨むのではなく、その状況下でどうやっていくかを考えていくほうが建設的な気はしています。それでも詰んでいるならさっさと離れたほうがいい


 念のため申し添えておきますが、こんな記事を書いている時点で私は人格最低のゴミであることは間違いありません。誤解なきよう。


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