ヒーリングサウンド100選(1)🎶「Mist〜朝もや」
ヒーリングサウンド=癒しの音、とひとくちにいっても、いろんなアプローチがありますよね。
たとえば…
ゆったりとした曲調のクラシックやイージーリスニングなど、通常の楽器演奏による「レガシータイプ」
自然音に楽器演奏を重ねた「環境音楽タイプ」
調性とリズムを排し「音による癒しの空間」構築を目指した「瞑想タイプ」
海や川、雨など自然音のみの「生録タイプ」
などなど。
今日ご紹介するのは、わたしがもっとも気に入っている作品のひとつ、石黒孝子氏の「アイソトニック・サウンド Mist〜朝もや」です。
せせらぎの音を全編に配した、環境音楽的なアプローチの作品です。
柔らかいヴァイブ系のキーボードの音色とせせらぎの水音がよくマッチして溶け合い、それがまず心地いいのですが、それだけではありません。
この作品のいちばんの特徴は音数が少ないこと。
また楽音の「間」を大きくとっているので、いわゆる繰り返しの「リズム」はなく、散発的な楽音と楽音の合間に環境音がすーっと浮かび上がってくるような構成になっています。
まるでせせらぎや鳥のさえずりと楽器が会話をしているかのような音の空間が素晴らしい。
メロディといえるようなまとまったフレーズもないので、音楽というより瞑想タイプに近いかもしれません。
波の音やせせらぎが単なる背景雑音にしかなっていない作品が多い中、本作は環境音と楽音の融合がきちんとデザインされていて、音がまさに「朝もや」のように空間を漂っているような、そんなイメージの湧いてくる作品です。
ぜひ一度聴いてみてください。
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