ヒーリングサウンド100選(4)🎵「脳内革命 ~ 気持ちをしずめて…」
今日は、1996年発売のCD「脳内革命 ~β-エンドルフィンへのいざない ~気持ちを静めて・・・」をご紹介します。
1995年の大ベストセラーになった春山茂雄氏の「脳内革命」シリーズに乗っかった企画もので、作家は西脇睦宏氏とのこと。オルゴール風の作品をたくさん作っている人ですね。
ヒーリング音楽にもレガシー系、環境系、瞑想系といろいろありますが、本作は瞑想系。
瞑想系のヒーリング音楽は、音楽というよりも音で心身を包み込むようにデザインされたいわば「音の空間」で、明確なメロディーやリズムの反復がなく、ただただ心地よい音が延々と流れていくのが特徴です。
調性も取り払ってしまって、ほとんどサウンドエフェクトといっていいような作品も多いのですが、本作はリズムやメロディの輪郭はぼかしつつも調性は残していて、瞑想系のなかでは音楽寄りで聴きやすい。
そして本作の面白いのは、珍しく「和風」であること。
鹿威しをモチーフにしたと思われる「心を照らすもの」や、雅楽を彷彿とさせる「古都の庭より」は、なんというか、西方浄土というか仏教的な極楽をイメージさせます。
普通の音楽は身体や心を揺らすように曲が作られていますが、瞑想音楽(音楽といえるかな?)はまったく逆で、身体と心の動きを抑制するように設計されているのがよくわかります。
メロディやリズムは「音」に時間的制約を加えたものですが、瞑想音楽にははっきりしたメロディやリズムがありません。
作品に時間的制約がなく、音楽的な理解や反応、あるいは言語的な解釈を要求しないので、本を読んだり、考え事をするのにじゃまにならない。単なる波の音などとも違って、退屈することもありません。積極的に思考を止めるのにも向いていると思います。
お寺の読経も、ある種の瞑想音楽といっていいかもしれませんね。
ちなみに、これを聴きながら脳波を測ってみたところ、瞑想状態よりも集中状態の方が多く現れたように思います。
ということで、今日は瞑想系からひとつ、ご紹介しました。
瞑想系にはハシにもボウにもかからない低レベルな作品がほんとに多くて閉口しますが、その中でも本作はかなり「使える」作品だと思います。とっくに廃盤ですが、中古を探してぜひ、聴いてみてくださいね。
ではまた。