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音響サプリ💤眠音シリーズ(3) はたして雑踏の中で寝られるか?

テーマ

今日の眠れる音は「雑踏」です。

雑踏?
そんなうるさい環境で気持ちよく寝られる?

そう思われそうですけど...

雑踏って実は「1/fゆらぎ」を示すんです。
いろんな環境音の時間周波数特性を調べていて気づいたんですが、わたしも意外でした。

もちろん完全な1/fゆらぎじゃないですけど、かなりいい線をいっています。それで今回の音サプのテーマは「雑踏」にしてみました。

1/fゆらぎ

1/fゆらぎは「癒し」のキーワードとしてよく知られていますが、元々は、電子回路から発生する特有のノイズパターンをさす物理学用語で、発見されたのは戦前。たぶん電話や無線など通信機器のノイズを減らすための研究過程で発見されたんでしょう。癒しとは全然かけ離れた世界の専門用語です。

物理学なので、定義をちゃんと理解するのは難しいんですが、ものすごく大雑把にいうと「ゆっくりした揺れは大きく、細かい揺れは小さい」ようなパターンを示す

揺れのこと。

調べていくと森羅万象、ありとあらゆる自然現象がこのパターンを示すことがわかって、20年ほど前、一大ブームになりました。人の心拍数や胎内音も1/fゆらぎを示すことから、1/fゆらぎ=リラックスという定式ができあがっていったようです。(参考文献3)

雑踏の時間周波数特性

典型的な1/fゆらぎはピンクノイズ。
時間周波数特性はこんな絵面になります。

ピンクノイズの時間周波数特性

この図は縦軸が周波数、横軸が経過時間、音量が色の明るさで示されていて、ピンクノイズは低い周波数は明るく(=音量が大きい)、周波数が高くなるにしたがって暗くなる(=音量が小さくなる)ことがわかりますよね。こういうパターンを1/fゆらぎといいます。(正確にいうと「周波数とパワースペクトルが反比例の関係にある振動」が「1/fゆらぎ」です。)

で、今回のテーマの雑踏はどうかというと、こんな感じになります。

雑踏の時間周波数特性

ね?かなり1/fゆらぎっぽいパターンでしょ?
1/fゆらぎについては今回は詳しくは触れませんが、雑踏って意外と癒し系?ってところだけ、注目していただければと思います。

設計

背景音

雑踏の音って、あらためてマジマジと聴いてみると、かなり耳触りな音が頻繁に混じります。例えば怒鳴り声とか、金属を落とした音とか、赤ん坊の鳴き声とか、けたたましい笑い声とか。

こういう注意を引きつける音は、おそらく交感神経を興奮させるので寝るには不向き。なので、原音からこれを丹念に取り除きました。

ですので、今回の背景音は現実の環境音ではありません。いわば「雑踏のイメージ音」です。例えてみれば、写真と絵画の関係に似ているかもしれませんね。でも、かなりいいセンいってると思いますので聴いてみてください。

脳波誘導音

雑踏の音には特段のピークがありません。で、これまでの実験でなんとなくわかっている、落ち着ける周波数、80〜110Hzの間から、聴感上しっくりくるところを探して、90Hzに決めました。

入眠時の脳波はシータ波(4〜8Hz)なので、左耳から90Hz、右耳から94Hzを流して、4Hzの脳波を誘導します。

使い方

ステレオイヤホンで聴いてください。
片耳ずつ聴くと単なる「プーン」というサイン波の音ですが、両耳で聴くと「うわんうわん」と1秒に4回のうねりが聴こえてきます。これが「両耳性うなり」です。スピーカーで聴いてもうねりは聞こえますが、両耳性うなりは誘発されません。

わたしが一週間、使ってみた感想ですが、入眠、覚醒には大きな変化はなかったものの、どういうわけか夢見に影響があるようです。

わたしの夢のパターンはある程度決まっていて、悪夢もあれば楽夢もありますが、この音サプ使用中は今までみたことのないパターンの面白い夢が続きました。因果関係もメカニズムもまったく不明ですが、夢見も音サプの効果のひとつかもしれません。

諸元

  • 名称:雑踏

  • 型番:CTS00360MZ

  • 狙い:入眠潜時の改善(寝つきをよくする)

  • 形式:mp3

  • 長さ:30分

  • 背景音:雑踏

  • 基準音:90Hz(Lチャンネル)

  • 誘導音:94Hz(Rチャンネル)

  • 誘導脳波:4Hz(シータ波)

ダウンロード

実験を長く継続していくために、音サプはいちおう有料にしました。
でも、実際に試聴してどうだったか、ご感想やデータをフィードバックしていただける方、工房に興味を持って実験に参加していただける方には無料でご提供します。こちらからお申込みください。募集は期間限定です。

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